可愛い娘





 くりくりとした大きな瞳

 誰からも愛される可愛らしい女の子


 この子がこのお話のヒロインなのです。





   〜可愛い娘〜





「こーすけ!!」




 大きな声でそう叫んだのは

 なんと……!!俺の可愛い可愛い妹な訳だ!


 はとことこと小さい歩幅でこっちに向かってくる。

 あ、こっちって言うのは俺ん家の玄関の事ね。




「どうした??

「こーすけ……どこ行くの………?」




 俺の所に辿り着いたの目線に合うように俺はしゃがみ込んだ。

 は今にも泣き出しそうにうるうるした瞳で俺の学ランを掴んだ。




「どこって……学校に行って来るんだけど………」

「がっ……こー……?」

「そう。学校」

「………う゛ぅーーーー」




 学ランを握りしめたままは泣き出した。

 ……おいおいおい!!

 俺はこれから学校だってば!遅刻すんじゃん!

 ………ま、いつもの事だけど。




「あぁーー。、泣きやめ。な?」

「う゛ぅーー。やーー!こーすけ行っちゃやだぁ〜〜〜!!」




 の泣き声は一段と大きくなった。

 ……困ったなぁ。どうすっかな………。




「あぁー!ほら、!!……母さんは?」

「ママ……?うわぁーーーん」




 何でそこで泣くんだよっ?!



 俺はとりあえず、泣きやまないを抱き上げて靴を脱ぎ、

 いったんリビングに戻った。




「おぉーーい。………母さん?」

「……っく……う゛ぅーーー」

「はぁ。そろそろ泣きやめよー」




 俺はの頭を撫でる。


 すると、はやっと泣きやんだ。

 ……最初からこうすりゃ良かった!!




「あ、、母さん何処にいるか知ってるか?」

「………ママ?」

「そう。ママ」

「……いな…い……」

「はぁ?!なんでだよ?!」




 驚いて思わず叫んじまった。



 一瞬はビクッとしたけど、

 もう一回頭を優しく撫でてやったら小さい腕で俺に抱きついてきた。




「ママね。にんじん無いって……」

「は?!母さん、を置いてにんじん買いに行ったの?!」

「……ねぎもないって………あとたまねぎと……」

「おぉ、もう分かったからいいぞ!!」

「………ぅん。」




 を抱き上げた状態のまま途方にくれてる俺。

 だって母さんいないんだよっ?!

 ……てかどうすりゃいいんだよ………。




「こーすけ……」

「お?どーした??」

「がっこーは?」

「……………やっべ」




 どうする?!俺!



 学校か……


 か……




































「あれ?日向は?」

「あ?……いねぇじゃん」

「………隼人、お前気付かなかったのかよ」

「つっちーもだろ」




 上から俺、隼人、つっちー、竜。


 いつもより何となく静かな教室。

 ま、その理由は日向がいないからだと思うけど。

 ……って日向どうしたんだろ?

 ヤンクミも怒ってるっぽいし……。




 と、その時。

 ガラガラって音がして、教室の扉が開いた。




「よっ!!」




 扉の向こう側にいたのは今の今まで噂をしていた日向だった。




「おまっ!!遅いぞ!!」

「まぁまぁヤンクミそう怒るなってーー。な?」

「まぁまぁってお前!!………?」




 日向とヤンクミの言い争い?



 なんでか分からないけど急にヤンクミが真剣な顔つきになって黙り込んだ。

 当然、俺等は“何があったんだよ”と日向とヤンクミの方に目線を集中させた。



 見た光景に思わず自分の目を疑った。















 日向の腕の中には小さい女の子が、

 日向に抱きつくようにすっぽりと収まっていた。




「………誰だ?」

「ん?可愛いだろ??」

「そんな事を聞いてるんじゃない!!」

「ヤンクミ〜〜。そんなに怒るなって!が泣き出すだろー」

「え、あ、悪い。……ってそうじゃねぇだろ」




 ヤンクミが一人漫才している間に日向はいつもの場所、俺達の所に来た。




「よっ!おっはよ」

「「「「……………」」」」




 珍しいことに竜以外の4人も言葉を発しない。

 というかあまりに吃驚して声が出てこなかった。




「おい?どうした?」

「や、あのさ……」

「ん?タケどしたの??」

「その子………」




 俺が、日向が抱っこしている女の子を指差すと

 日向は“あぁーー”とか言いながらニコニコしだした。




「可愛いだろ?」

「うん。……じゃなくて!!」

「あっはっは!!タケ、君は面白いよ」

「…………」




 もうクラス全員が呆れかえっているような状態。

 そんな中、注目のあの小さい女の子が喋った。




「………あ、りゅう」

「「「「「竜?!」」」」」




 そしてその発した一言にクラス全員が反応した。

 みんなの視線の先はもちろん竜。




「……久しぶりだな。

「りゅうだぁ〜〜!こーすけ!!あっち行く!!」

「えぇ?!………なんで竜のとこに……」




 駄々をこねるに、

 日向ため息をつきながらも渋々といった感じでと呼ばれたその女の子を竜に渡した。



 そして今度は竜の腕の中にって子は収まった。




「りゅう〜〜〜」

「……どした」

「りゅうだいすきーーー」

「…………」




 がそう言いながら竜に抱きついた。

 すると、竜は優しく笑いながらの頭をポンポンっと撫でた。



 そこで黙っていないのが日向。




「ちょ!!竜おまっ!何やってんだよ!!」

「………別になにもしてねぇだろ」

に手ぇだすな!」

「出さねぇよ」




 竜の一言にクラス全員が頷く。

 流石に……いくら女に飢えている男がいてもこんなに小さい女の子には手を出さないだろう。




「っていうかさ。」

「ん?つっちーなんだよ」

「日向って……ロリコン??

「おぅ!!」




 認めちゃったよ!!



 誰もがそう思った一瞬の出来事。




「ってその前にこの子は誰??」




 タケの一言にまたもやクラス全員が頷く。

 その質問に答えたのは、今話題になっている女の子を抱いている竜だった。




「日向の妹」

「「「「「「まじでーーーーー?!」」」」」」




 周りからは“似てねーー”だの“日向と違って可愛いじゃん”などの声があがっていた。

 そしてその言葉に怒る日向。それを止める土屋。




「で、なんで竜は知ってんだよ?」

「おぉ!そうじゃん隼人の言う通り!!」

「………なんでって、日向ん家に行ったときに」

「「「「「「あぁーーーー」」」」」」




 小田切とが知り合いだった事には

 納得できたようで、もうその話題は出てこなかった。


 その代わり、“日向に似てなくて良かったなぁ”との声はしばらくの間あがっていた。





























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あとがき

    ミニヒロイン!!笑
    可愛いww
    なんか……日向って妹がいたらこんな感じになると思う。笑



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