可愛い娘





 くりくりとした大きな瞳

 誰からも愛される可愛らしい女の子


 この子がこのお話のヒロインなのです。





   〜可愛い娘〜





「ひかるぅ」

「んー?どーした?

「んっとね。ね、ひかるとおかおものいきたいの」

「お、おかおもの?!……って何だよ」




 今日は日曜で学校は休み。

 俺は今、別にすることも無かったから

 その辺にあったファッション雑誌なんかを広げて、寝ながら眺めていたとこだ。


 そんな俺ん所にちょこちょこと歩いてきたのは俺の妹。

 土屋

 すんげぇ小せぇのよ。



 ……んで、“おかおもの”って何?




「おかおものいく!」

「だからおかおものって……」




 俺は起きあがり、読んでいた雑誌を閉じて

 今にも泣き出しそうなを抱き上げる。




「おかおものぉ………」

「あぁーー!まじでわかんねぇ!!」




 クシャクシャと頭をかく土屋。

 その土屋の腕の中にいるは、先程まで土屋が読んでいた雑誌を指差した。




「……おかおものはね、あぁゆうやつかうの。」

「へ?……もしかして買い物?お前“お買い物”って言いたかったわけ?」




 土屋が雑誌を一目見てに視線を戻した。

 すると、は小さく頷く。




「はぁ〜。………しょうがねぇ。行ってやるか」

「まぢ?」

「大まじ。ってか何処で覚えたんだよ“まぢ”って………」

「ひかるがいつもいってる」

「おぉ。そっか」




 土屋は腕の中からを解放し、

 早く買い物に行く準備をしてこいと言った。


 はその言葉に大きく頷いて小走りで土屋の部屋から出ていった。




「はぁー。……買い物なんてお袋と行けよ」




 のいなくなった部屋で一人呟いてみるが、

 結局は自分の妹であるに弱いのは事実。



 土屋はため息をつきながらも

 可愛い妹のために買い物へ行く準備をし始めた。




































「ひかるっ!ひかるっ!!」

「おぉー。どした?」




 いつもは5人で通る店前。

 今はと歩いてる。

 ……しかも手ぇつないで。


 それが、俺はでかくては小せぇからは一生懸命に背伸びしながら俺の手を握る。

 それを見てたらなんか笑えてきた。




「あれっ!あれっ!!」

「あれ……?」




 が空いてる片方の手を使って指差してるのは人形屋。

 ………人形が欲しいってか?




「あれ!!」

「わぁった!分かったから飛び跳ねんのやめろっ!」




 ぴょんぴょんと飛び跳ねるをとりあえず止めて、

 そのの指差した人形屋に足を運ぶ。




「ほら。到着ーー」

「わぁ……!ひかるすごいっ!くまさんいっぱい!!」

「よかったなぁ」




 店ん中に置いてある熊の人形を見つけてはまた飛び跳ね始める

 俺はもうなんか疲れてて、店ん中に偶然あった椅子に座る。



 そこで俺は今は会いたくねぇ奴等に会っちまった。



































「あれ?つっちーじゃない?!」

「え?どれどれ??」

「あれあれ」

「……どれだよ」

「ほら!椅子に座ってんじゃん!」

「あ?……ほんとだ」




 俺と日向の言い合い……?

 まぁ、言い合いでは無いと思うんだけど。


 ってそうじゃなくて、俺等はつっちーを人形屋で見つけた!!

 俺は暇だったから“みんなでどっか行こうぜー”って日向とつっちーと隼人と竜を誘ったらみんなも暇だったらしくOKだった。

 つっちー以外は……。

 や。別につっちーが行かないって言ったんじゃなくてつっちーとだけは連絡が取れなかったんだよねぇ。


 何処にいるのかと思ったらこんなとこに……。

 ってつっちーは一人で何してるんだろう?




「なぁ。つっちーは一人で何してんの?」

「………知らねぇ」

「あ!彼女にプレゼント買ってるとか!!」

「え?!つっちー彼女いたの?!」

「…………いねぇだろ」

「だよなぁ。じゃ何で?」




 上から俺、隼人、日向、俺、竜で最後はまた俺ー。

 ……まじで何してんのかな?つっちー………



「よしっ!」

「タケどした?」

「つっちーんとこ行ってくる!」

「お、じゃぁ俺も〜〜」

「隼人もかよっ!」

「あ?日向だって行くだろ?」

「もちろんニャ」




 ネコの真似?をする日向はとりあえず放って置いて隼人は竜にも声をかける。




「竜は?」

「…………行く」




 なんか竜はちょっとめんどくさそうな顔をしてたけど、

 誰も気にしなかった。





 そんなわけで、俺等はつっちーんとこに向かった。




































 俺はいつもみたいに愛用の扇子を取り出して仰いでた。

 そん時に聞こえるはずのない声が聞こえてきた。




「つっちー!一人でなぁにやってんの??」

「?!タケ……?」

「よっ!!」

「隼人……」

「ニャ!」

「……ニャ!」

「何してんだよ」

「あ、竜もやるか?」

「やんねぇよ」

「んな即答しなくたっていいだろ………」




 4人は俺んとこまで来て椅子に座った。

 ……こいつ等こんなとこで何してんだ?




「お前等何してんの?」

「え?暇だったからーー」



 俺がタケに聞くと、タケは背伸びをしながら答えた。




「……人形買いに来たわけ?」

「おぉ。隼人の鞄にキティちゃん付けようかと思ってさ」

「タケ、んなこと聞いてねぇぞ」

「今言ったもんね」




 へぇー。隼人の鞄にキティちゃんねぇ……。

 ちょっとまじで隼人の鞄にキティちゃんの人形が付いてるのを想像してみた。



 ぶっ!!




「つっちー……てめぇ何笑ってんだよ」

「悪ぃ悪ぃ。……隼人………似合うんじゃね?」

「うれしくねぇよ!!」




 俺を隼人のやり取りを見て他の3人は笑ってた。

 タケと日向は爆笑。

 竜は鼻で笑ってた……気がした。




「あはははっ!!」

「日向は笑いすぎだっつーの!」

「いでっ!!隼人殴んなよっ!!」

「へっ」




 あぁあ〜〜。

 店ん中でも騒がしい奴等。

 まぁ、俺もその中の一員だけど?




「…………ひかるぅ?




 日向と隼人のやり取りを見て笑ってたら裏から声がした。

 振り返るとからしたらかなりデカい熊を持ったが立ってた。



 やっべぇ!のこと忘れてた!!

 ずっとほったらかしにしてたよっ!

 俺超最低じゃん!!




「「「誰?!」」」

「………知り合いか?」




 一気に笑い声が止んで4人の視線がこっちに集まってきた。

 ってそれどころじゃねぇ!!

 泣きそう!




「うわっ!!!泣くなよ」

「う゛ぅーー。ひかるのばかぁ」

「泣くなってば!!」

「う゛〜〜〜」

「俺が悪かったから!……な?」




 俺は慌てての所まで行ってを抱き上げる。

 そしたらは泣き始めちまった。


 その泣き声を聞いて4人がこっちに集まってきた。




「この子誰?」



「へぇー、ちゃんね。……ってそうじゃねぇよ!」




 日向が俺に聞いてきたけど今はそれどころじゃねぇっつの!

 こちとらを泣きやませるのに精一杯なんだよっ!!




「も、もしかして………」

「「「つっちーの隠し子?!」」」

「………馬鹿か」




 日向と隼人とタケはちょっとマジになりながら

 俺に“隠し子疑惑”をかけてきた。


 今回は竜のツッコミに賛成。

 ん?賛成ってなんか変だよな?

 ………ま、いいか。




「バァカ。俺の妹だよ」

「「「い、いもうとぉ?!」」」

「……へぇ」





 竜以外の三人は俺の周りに集まってきてをのぞき込む。

 なんとか泣きやんだはおどおどしながらその三人を見てた。




「おい、が泣くからガン飛ばすなよ」

「こんな小せぇ子に飛ばさねぇよ!てか俺は女の子にはガン飛ばさねぇ!!」




 隼人ならやりかねないと思った俺は一応忠告しておいた。

 つか、さっきからはずっとタケのこと見てるんだけど。




「可愛いなぁ、つっちーの妹」




 タケが笑いながらそう言うと

 は首を傾げながらタケに質問?してた。




「………?おなまえは??」

「へ?俺?俺は武田啓太。タケだよー」

「……たけ?」

「そ、タケ。きみは?」

!!」

ちゃんね、わかった!……で?ちゃんはくまさん好きなの?」

「うんっ!!だいすきなの!」




 武田に聞かれたことが嬉しかったようで、

 は持っていた熊の人形をもう一度ギュッと抱きしめた。




「はぁー。んじゃ、それ買って帰るかー」

「うんっ!!」




 俺はを抱き上げてる状態のままレジに向かって、熊の人形を買ってきた。

 店を出たとこで4人とは別れた。

 これからゲーセンに行くっつって誘われたけど、

 俺はをちゃんと家まで連れてかなきゃいけねぇし。断った。















「そういやぁ、……なんでタケの事ばっか見てたんだ?」

「タケね!かわいいのっ!!」

「………あぁー。そゆことか」

「でね!タケね!くまさんとおなじくらいかわいかったの!!」




 のこの一言にはかなり笑っちまった。

 ……明日タケに言ってやろぉっと!



 まだ笑いが収まらない俺を不思議そうに見つめてる


 俺の笑いが収まってもは熊の人形を大事そうに抱えながらずっと俺を見てる。




「……あのね!」

「おぉ?」

「あたしくまさんすきっ!!」

「………?おぅ。知ってる」

「でもね!ひかるはもっとすきー」




 そう言っては俺に抱きついてきた。















 うわっ……なんだよこいつ。


 めちゃめちゃ可愛いしっ!!




































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あとがき

    妹シリーズ。笑
    第二弾つっちー^^

    び、微妙??笑
    てか個人的に隼人の鞄にキティちゃんの人形を付けたのを想像してウケた。笑



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