可愛い娘





 くりくりとした大きな瞳

 誰からも愛される可愛らしい女の子


 この子がこのお話のヒロインなのです。




   〜可愛い娘〜




「りゅーーう」

「………………」




 今日は土曜日だったから、ゆっくりできると思って俺は朝寝てた。

 けど、そうとはいかねぇらしい。




「りゅうおきた……?」

「………………」




 いきなり寝てる俺の上に乗っかってきたのは俺の妹。

 



 は俺の上に乗っかったまま俺が掛けてる布団を上げて、

 顔をのぞき込んできた。


 で、は布団の中にいる俺を見つけてすげぇ嬉しそうに言った。




「あ、りゅういたーー」

「…………はよ」

「おはよっ!!………りゅうおきた?」

「………あぁ」

「じゃぁごはんたべよっ!!」

「……………は食ったんだろ?」




 いつも俺は朝飯なんて食ってねぇ。


 はいつも親と食ってる。


 時計を見てみれば、普段なら達は朝飯なんてとっくに食い終わってる時間。

 だからの言った言葉がよく分からなかった。




「あのね!ね!!きょうはりゅうとたべようとおもってがまんしたの」

「…………は?」

えらいでしょー??」

「や、えらいっつーか………」




 何で待ってたんだよ?

 ………ったく

 意味分かんねぇ……こいつは。




「だからおなかすいたーーー」

「………なんか食うか?」

「くうっ!!」

「……………、お前は「食べる」って言え」

「なんでぇ??」




 女が「食う」とか言ってたらヤバイだろ……。


 “なんで?”と何回も問いつめてくるを抱き上げて俺はリビングへと向かった。



































 ちょうど家の奴等は誰もいなかった。

 ………いねぇ方が気楽でいいよな




「りゅうーー」

「…………あ?」

「なにつくるの??」




 まだを抱き上げたままの状態で立ってる俺に

 が期待を込めた目で俺を見てくる。


 何作るかって言われてもな……。




ね!」




 別に作れる料理も無ぇし。


 “その辺にあるカップ麺とかでもいいだろ。”


 とか考えてるとき、はあり得ねぇ事を言いだした。




おむらいすたべたいっ!!














 ………オムライス?















「………どうやって作んだよ」



































 とりあえずを一人家に置いて俺は家を出た。

 つかはTV見だしてたから置いてきたんだけどな。







 今俺の向かっている場所は、商店街。




「…………これか?」




 商店街にある本屋の中に入って適当に料理の本を漁る。

 中で見つけた一冊の本。

 表紙には


 “誰でも作れるたまご料理”


 そう書いてあった。



 その本の中をパラパラめくってみると、

 中には“簡単オムライス”って書いてあるページを見つけた。



 他の本を漁るのもめんどくせぇから今持ってる本をレジまで持ってく。




「890円になります」

「………………」




 言われた通りの金額を出すと、店員はその本を袋に入れだした。

 で、袋を俺に渡すときに質問もしてきた。




「一人暮らしでも始めたんですか?」

「は?………や、別に」

「色々と大変だと思いますけど頑張って下さいね」




 店員は話を聞かず笑顔で俺を応援してきた。

 別に話を聞いて欲しい訳じゃねぇけど………。


 つか応援されてもな………。

 別に一人暮らしでもねぇし。




「有り難う御座いましたー!!」




 でけぇ声でそう言う店員の声を聞きながら俺は本屋を後にした。



































 本屋を出てから今度は俺はスーパーに向かった。

 中にはいるとそんなに人は居なくて、買い物するには楽だった。




 俺はさっき買った本を片手に持って材料を探す。

 ………こんなとこ来た事ねぇから何処に何があるのかわからねぇ。

 “めんどくせぇ”とか考えながらも材料を探す。




 そんな時、

 俺は前から来た奴とぶつかった。




「あ、わりぃ」

「……ってぇな!!あぁ?!」




 相手の顔も見ずに、竜は片手に持ってるたまご料理の本を見ながら一言謝った。

 ぶつかった相手は肩を押さえながら大袈裟に叫んでいる。




「あぁ?!てめぇ肩折れてたらどうしてくれんのかな?!」

「あ?うっせぇんだ………」



 流石につっかかってくる相手に腹が立った竜は持っていた本を閉じて振り返った。

 そして相手の顔を見て言葉に詰まった。

 相手も相手で竜の顔を見て口を押さえる。




「あ…………」

「……………」




 竜と、ぶつかった相手はお互いの顔を見て静止した。

 最初に動いたのは相手だった。




「竜?!おまっ?!………何やってんの?」

「…………隼人」

「え?まじでお前何やってんの?」

「お前こそ何やってんだよ」

「いや。俺は拓に醤油を頼まれて………って良いだろ別に!!」

「……………」




 一人でノリツッコミしている隼人を置いて竜は歩き出していた。

 その事に気付いた隼人は急いで竜の元へ向かう。




「竜!だから何やってんだよお前!!」

「…………別に」

「……お前何持ってんの?」

「…………………」



































「……………ぶっ



































 隼人は竜の元へ辿り着くと強引に竜の持っていた本を奪った。

 そして、吹き出す始末。




「おまっ!………あははははははっ!!」

「うるせぇ」

「や、だって!なぁ?!」

「…………はぁ」




 隼人は拓に頼まれたという醤油を持って大笑いしだす。

 その事に周りの奥様方は何事かと視線を集めた。




「…………じゃ、俺帰るし」

「は?!ちょ、待てって!!竜」




 竜は隼人を置いてちょうど目の前にあった卵を取ってレジへ向かった。



































「はぁ………これでいいだろ」

「わぁ!!りゅうすごいっ!!おいしそう!!」

「……………」




 つかれた。

 てか何で俺がこんな事しなきゃなんねぇんだよ。




 買い物から帰ってきた竜はに早くしろと言われ急いでオムライスを作り始めた。

 ………が。

 料理など初めてするわけで……。

 全てが本を片手に持っての作業だった。





 なんとか出来上がった物をの元へ持っていくと、

 お腹を空かせたはすぐに食べ始めたのだった。




「おいひい!!」

「食ってから喋れ」

「うん。………おいしいっ!!」

「………よかったな」




 がニコニコと言う事で竜も自然に少しではあるが笑っていた。




「りゅう、またつくってね!!」

「……………ぜってぇ作らねぇ」




 こうして竜の忙しい土曜の朝は終わった。



































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あとがき

    竜の妹夢!!
    ギャァーーーー!!ほとんど妹出てないじゃん!!笑

    あぁーー。うん。またリベンジするっ!!笑



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