可愛い娘





 くりくりとした大きな瞳

 誰からも愛される可愛らしい女の子


 この子がこのお話のヒロインなのです。




   〜可愛い娘〜




「……………?」




 今朝、俺は右手の指を誰かの小さい手に握られている感覚で起こされた。

 まだ、眠い………。


 左手で目を擦りながら上半身を起こし、暖かい感触がある右手を眺めた。




「けーた………?」




 そこにいたのは俺の妹、




……?何やってんのこんなとこで?」




 はお袋と同じ部屋で寝てたはず……

 なんで俺の部屋に入ってきてて、小さい手で指握っちゃってるわけ?




「………ママね、きょうおしごといそがしいから」

「うん」

「けーたといっしょにがっこいってきなさいねって…………」

??!!!!?!




 はぁ?!

 お袋なに考えてんの?!

 え、てかは何でそんなにニコニコして俺の事見てんの?!




「あのね、ね。きょうはずっとけーたといっしょにいるのー」

「……………」





 最上級の笑顔でそう言うを見ていたら

 もう何も言えなかった。


 っつってもなぁー………学校に連れてっていいのか?




「あぁー……ちょっと待ってろよ?」

「うんっ!!」




 俺は近くのテーブルの上に置いておいた携帯をとって

 ヤンクミの番号を探し、見つけたらすぐに電話することにした。




『おっ!どうした武田』

「あーえー……えっと…………」

『何かあったのか?!』

「や、別にそう言う訳じゃなくて………」

『なんだよ!驚かすなよなっ!!』




 電話の向こうからは笑い声が聞こえた。

 ………スッパリ言った方が良いのかな?やっぱ




「今日さ」

『んん?』

「学校にちっちゃい女の子連れてくから」

『…………はぁ?!』

「じゃ、そゆことで」




 ピッと通話を切って、

 なんだか不安げなの方を見てニコッて笑って……




「大丈夫♪♪今日は一緒に連れてくから」




 そう言ってやったらはすげぇ笑顔になって




「うんっ!!」




 そう言った。



































 あの後、を着替えさせたり飯食わしてやったりしてたら、

 もう授業はとっくに始まっているであろう時間になっていた。




「…………遅刻……か。」

「けーた?」

「ん?あ、大丈夫だって。いつもの事だから♪」




 に靴を履かせて抱き上げながら

 そうやって言ったらは何やら真剣な顔になった。




「あのね!ね、けーたのじゃまにならないようにするから………」

「うん?」

「………ちゃんとおべんきょうするんだよっ?」




 の口から出てきた言葉に固まる俺。

 そして冷や汗もでてきた。




「………………は、はい」



































 でかい校舎を通り過ぎて3D教室のある校舎へと向かった。

 中に入って廊下を歩いて、教室前の廊下までたどり着いた。

 中からはヤンクミの声といつもと同じみんなの騒いでる声。

 あぁー……この時間数学だっけ?



 そんな事を考えながら、

 左腕だけでいつの間にか寝ちゃったらしいを支え、右手で教室のドアを開けた。




「おっはよ♪」

「……………ZZZ」




 俺等を見て静まりかえる教室。

 そんな中、隼人とつっちーと日向がゆっくりと近づいてきた。




「…………隼人?つっちー……日向?どしたの??」

「タケ……お前……………」

「ヤンクミの言う通りだったんだな……」

「は?」

「お前が来るまでは信じてなかったけど………」

「え、いや、ちょっと………何の話してんの?」




 3人は俺の前まで来て、ため息をつきながら肩を叩いてきた。

 意味が分からない行動をする3人。




「まさか………」

「「「お前にそんな辛い事情があったなんて…………」」」



































「はぃ?!」



































「身よりのない親戚の小さい女の子を預かるべく、夜からこんな朝まで働いて…………」




 え?!

 なにそれ、何情報だよっ?!

 てか信じてんの?!それ




「昼間はおばさんが見てるはずだったが、そのおばさんも倒れてお前が見てやることになり………」




 勝手にお袋を倒れさせるなよっ!!

 てかなんで俺はそんな哀れんだ目で見られなきゃいけないんだよ?!




「挙げ句の果てには家を売ることになって………」




 まじで意味分かんねぇ!!

 なに?!隼人達なんか拾い食いでもした?!

 つかなんなんだよ、辛い事情って?!

 んなもんないからっ!!




「おい、タケ」

「………っ?!なななななにっ?!」

「………んなどもんなよ」




 近づいてきた竜を見て、助けを求めた。




「なに……?これマジ意味分かんねぇんだけど…………」

「………正直、俺もだ」

「まじかよっ!!」

「つか、それなに?」




 “なに?”って………

 せめて“誰?”にしてやってくんねぇかな?




「「「だから身よりのない親戚の子だろ?」」」

「……………違うから」




 隼人とつっちーと日向の声が重なった。




「つかなんなんだよ、それ」

「え?違うのかよ」

「なぁんだぁー………俺すっげぇ心配したのによぉ」

「ヤンクミ嘘つくなよなぁ」

「あたしのせいかっ?!あたしはただ自分なりに解釈してだなぁ…………」




 なんで“学校にちっちゃい子連れてくから”がそんなに大事になるのかがわっかんねぇー

 マジで変だよヤンクミって………




「で、それなに?」

「竜………」




 だからせめて“誰?”に………


 ちょうどその時俺の腕の中でもぞもぞとが動いた。




「…………?」

「あ、おはよっ♪

「………ぅん。おはようっ」




 のぞき込むようにして言ってやると

 はまだ眠たそうに目を擦りながら答えた。




「「「(可愛いっ!!!)」」」

「………………(目の辺りがタケそっくりだな)」




「この可愛らしいお嬢さんは本当は誰なんだ?」




 ヤンクミに聞かれてぼそっと呟いた。




「…………俺の妹




 するといつの間にか俺の腕の中にいたは隼人の腕の中にいた。




「隼人っ?!」




 俺の叫びも意味なく終わり、

 でなんだか楽しそうにしてたからまぁ、、いいか。とか思った。




「おぉー……可愛いじゃん」

「なぁー、あ。この辺タケに似てね??」

「あ、そうかもなぁー」

「…………タケと目がそっくりだぞ」

「「「あ、ほんとだ」」」




 ここで今まで喋らなかったが口を開いた。




「おにいちゃたちかっこいいねっ!!」

「あ、やっぱわかっちゃう??」




 え、なに。

 隼人嬉しいの?




「いやぁーモテる男は困るね、うん」




 日向……モテた事ないじゃん




「うーん、、ちゃん男見る目があるねぇ」




 つっちー…………




「うんっ!!あのね、けーたのつぎにかっこいいっ!!」

「「「「…………………」」」」

「(今日はの好きなおもちゃ買ってやろーっと♪♪)」



































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あとがき

    妹シリーズ

    うん。タケ夢のはずなんだけどね。。。笑
    なんかこう……しっくりこないね。笑
    これは竜夢同様リベンジするっ!!



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