超不機嫌な奴





 あぁあ〜〜〜。

 つまんねぇ1日だったな。


 やっぱ3Dには華の役割を果たしてるがいねぇと……!!





   〜超不機嫌な奴〜





「結局、は休みだったのか……」




 山口が名簿を見ながら言ってた。

 俺は愛用の扇子で扇ぎながら周りを見渡す。




 ………相変わらず暗ぇーーー。




 がいねぇとここまで変わっちまうんだな。

 特に隼人と竜は怖いほど喋らねぇし。

 ま、竜があんま喋んねぇのはいつもの事か……。


 正直、俺も元気でねぇ。

 やっぱアンパンマンは必要って事だな!!




「なぁ、ヤンクミ」

「ん?何だ、武田」

「ヤンクミはが何処にいるか知らねぇの?」

「うーーん。連絡はなかったからなぁ……」

「はっ!!まさかの奴……」

「どうしたんだ?日向」

誘拐とか………!!!




 日向が身を乗り出して言ったけど。



 ………それはいくらなんでも考えすぎだろ。





 でも、クラスには沈黙が訪れていた。

 きっと全員が“そうかもしれない……”と少しでも思ったのであろう。




「あはは!!そんなに心配しなくてもは大丈夫だ!!」

「ヤンクミ……その自信はどこから来るわけ?」

「いや、……なんとなく」




 あっさりとタケに返す山口。

 本当に何者なんだよ……このセンコーは………



































「次はーーー?」

「どこでも」

「慎……行きたいところとか無いの?」




 今、私と慎はゲーセンにいるんだけどさ。

 慎は“何処行きたい?”って私が聞くと必ず“どこでもいい”って言うんだよね。

 ……私と遊ぶのつまんないのかなぁ?




「ねぇねぇ慎、」

「なに?」




 ほら、私が聞くとため息つきながら聞き返してくる。




「つまんない?」




 私がそう聞いたら慎は吃驚したように目を少し見開いた。

 ちょっとの間見ていたら、いきなりため息をつかれた。




「え?!本当につまんないの?!」

「バァカ」

「へ?」

「つまんねぇわけねぇだろ」




 そう言って慎はまた笑ってくれた。

 その一つ一つの行動が嬉しい。


 なんか……こう、慎はお兄ちゃんみたいな存在だから。




「じゃぁ今度は慎が行くところ決めてよ!!ずっと私が決めてたんだから!!」

「……ずっとっつってもまだ2ヶ所くらいしか行ってないぜ」

「………う゛っ……」




 俺がそっけなく言ってみると、

 案の定、は拗ねた。




「ははっ。……じゃぁビリヤードでもやりに行くか?」




 俺が行く場所を決めたのがそんなに嬉しいことだったのか、

 は一瞬のうちに機嫌が直り、俺に笑顔を向ける。




「うんっ!!早く行こう!!」




 そう言いながらは俺の腕を引っ張る。


 そんなに急がなくてもビリヤード場は逃げねぇよ……。



































 学校の授業が終わって、いつも通りカラオケ行ったりゲーセン行ったりして

 いつの間にか、もう夜になってた。




「はぁーーー、今日はつまんなかったなぁ」

「そうだねぇ、つっちー」




 だってがいねぇんだもんよぉ。

 テンションも下がる下がる。


 隼人なんか今日一日がいなかっただけで

 今、超不機嫌だし。



 そんな時だった。

 隼人をもっと起こらせる出来事が見つかっちまった……。



 一番早くその事に気づいたのは竜。

 なんかいきなりいつも行ってるビリヤード場の前で止まって一言呟いたんだよ。

 “………?”って。


 その“”って単語に今日はかなり敏感な俺達はすぐさま立ち止まり、

 竜の見ている方向を見る。




………かぁ?あれ」

「似てるけど……すっげぇ綺麗じゃない?」

「うんうん」




 俺等の目線の先にいたのはに似てる女の子。

 かなぁ……って思ったけど、なんか違う。

 いつもは可愛いんだけど…というか……なんというか……だな!!


 ……ま、まぁ、そう言うことなんだけど。

 竜が立ち止まって見た女の子は“可愛い”と言う言葉より“綺麗”と言う言葉の方が合ってる気がした。



 でも、なんだか引き下がれない。

 俺以外だってみんなその女の子の方を見てる。

 じゃないか……って。




「あ。でもさ、あの子の横。……男いるよ」

「「あぁーーー」」

「「…………」」




 しかもその女の子はすっげぇ楽しそうに遊んでた。



 日向の言葉に珍しく隼人が何も言わなかった。

 いつもなら俺達と同じような反応するはずなのによ……


 今日は竜と同じで無反応。




「じゃぁ、やっぱ違うんだ」

「よかったぁ〜〜」

に男いたらどうしようかと思ったぜ」

「なになに日向、の事好きなんだーー?」

「ばっ、違ぇーーよ!!」

 


 “ヒュウヒュウーー”とかやってタケとふざけて日向をからかう。




「おーーい!!隼人、竜!行こーーぜ!!」




 聞こえてない。

 てか聞いてない。

 隼人と竜はその場から動こうとしていなかった。

 目線の先はやっぱりあの女の子。


 はぁ、誰かあの2人連れてこいよ……。



 しびれをきらしたタケが2人のことに向かう。

 説得してるっぽい。


 とりあえず、俺と日向も2人のところに向かうことにした。




「なぁなぁ2人とも、よーく見ろよ。あれぜってぇじゃねぇよ」

「………つっちーこそよく見ろよ」




 珍しく竜が喋った。




「絶対あれはだな」




 隼人も竜に続いて、あの女の子がだと言い始めた。

 と思ったらいつの間にか隼人があの女の子に向かって歩いていた。




「おいっ!隼人……」




 聞いてねぇ!!

 たまには人の話も聞けよ!!……まぁ、俺が言えた事じゃねぇけどよ


 しかも竜まで……!!

 おい、ちょっ!タケと日向も行くのか?!

 ………たくっ!!しょうがねぇなーー……



































「ねぇ、君さぁ」




 いきなり声をかけられて、私は吃驚して振り返ろうか迷う。

 だって、それはあまりにも聞き覚えがある声で………

 私の勘が正しければ、いつも会っている人達。


 でもこのまま止まってるわけにもいかない……

 どうしよう……


 そんな事を考えてるとき、慎が助け船を出してくれた。




「あんた誰?」

「あぁ?!あんたには話しかけてねぇんだよ」




 どうしよう。

 この声はどっからどう聞いても隼人だ。

 しかもかなり怒ってる。


 ここで振り向いたら、

 今日一日体調が悪いわけでもないのにサボったってばれるじゃん……。




「俺等が用があるのはそっちの女の子」

「ふーーん、知り合い?」

「あぁ、………たぶんな」




 はうっ!!

 ばれてるよ!!これ絶対ばれてる!!


 私だけ違う方向を向いてるからみんなの表情が分からない……。

 どうしよう……

 心臓バクバクいってる!!!




「でさ、ちょっと話させてくんない?」

「……だってさ、どうする?」




 いやいや、慎!!

 話をこっちに振らないでくださいよ!!


 う、動けない……。


 そんな私を見て慎が鼻で笑った気がした。




「悪いね。こいつ俺の女だから………帰ってくれる?」




 ……………えぇぇえええぇ?!

 今、慎が私のこと“俺の女”って言ったよ!!


 あぅあぉあぃいーーー?!

 どうしよう……。あぁ!もう何がどうしようなのかもわかんないよ!!

 意味分かんない……!!


 どうか私だってばれませんように……!!

 別にばれて困ることはないんだけど……

 でも、やっぱ私だってばれると気まずいから………



































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あとがき

    次回も続きです!……長っ!!(お前のせいだろ
    日本語が分からなくなりました(ぇ



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