凧と自転車





 凧揚げなんて久しぶり!!

 なんかすっごい楽しい!!




   〜凧と自転車〜




「すっごい飛ぶね!!この凧!!」

「だろだろーー!!」




 今、学校サボって凧揚げしてます。

 本当は出席とるまで教室にいようと思ったんだけど、ヤンクミ遅いし。

 みんなは凧揚げしに行くって言うから一緒に来ちゃった!

 ………あ。凧揚げするって言ったのは啓太と浩介だけ。

 後の3人は………何しに来たんだろう??


 まぁ、それで!今、凧揚げしてるんだけどすっごい楽しい!!




、そっち持って!!」

「了解しました!!親分!!」

「任せたぞ子分よ!!んで、日向はそっち」

「俺もかよ?!」

「ちなみに日向は親分の子分の子分役」

「……………つまり、の子分?!」

「正解!!」




 そうやって言ったら日向は“まじかよーー”って叫んでた。

 啓太はいままでよりもっと高く飛ばすように真剣に凧の用意してる。

 ちなみに凧の本体を私と日向で持ってて、啓太が糸。




「こっちはOKだよーー!!」

「んじゃ!!」

「「「せーーのっ!!」」」




 日向と啓太の“おりゃーー”という雄叫びと共に凧が揚がった。




「わーー!!すごっ!!………あ」




 順調に飛んでたはず……

 だけど。啓太が糸を伸ばしすぎたらしく、凧は落下していく。


 まぁ、普通の場所に落下するぶんには良いと思うんだけど……




「隼人ーー!!竜ーー!!つっちーも!!危ないよーーー!!」



































 が何か叫んでる。

 俺は寝そべってた体を起こして隼人と竜に話しかける。




「何か言ってるよ、の奴」




 そしたらあの2人は寝ながら“気にすんなよ”って……

 ……ま、いっか。












「「「あぁーーーーー!!!」」」












 ん?あいつ等元気だなぁ。

 まだ叫んでるよ。っても「あーー」って何があったんだよ。

 ……凧でも破れたのか?



 俺がそんな事を呑気に考えてるときに竜と隼人の間に悲劇が………










  ゴンッ  
     バサッ――――











「なっ?!」

「いってぇーー!!」




 吃驚したなんてもんじゃない。

 俺が振り返るといたはずの隼人と竜の姿が無ぇ。

 代わりにあったのは、『凧』


 これ……さっきあいつ等が遊んでたやつじゃねぇの?



 凧がごそごそと動いたから正直、最初はビビッた。

 様子を見てたら凧の下から隼人と竜の2人が出てきた。




「お前等……なにやってんの?」




 俺は愛用の扇子を取り出して仰ぎながら聞いた。

 ……やっぱこれがあると落ち着くな


 帰ってきた返事は明らかに怒りのこもった声だった。




「そりゃこっちの台詞だ!!んだよっこれ!」

「………さっきあいつ等これで遊んでなかったか?」




 竜も俺と同じ事を思ったらしい。

 俺達は3人同時にさっき達が凧揚げしていた場所を振り返る。



































「あっちゃーーー」

「だから言ったのに……」

「………怒ってるよな?竜と隼人」




 上から俺、、日向。

 は呆れたように言ってるけど。………悪いのは一応俺達の方だからね……




「ねぇねぇ啓太と浩介……」

「「なに?」」




 うわっ日向と重なっちゃったよ……!!

 いや、別に嫌な訳じゃないんだけどさ




「やばくない?2人とも……すっごい怒ってるように見えるんだけど………」

、奇遇だね。俺にもそう見えるよ」

「なに呑気に言ってんだよ!!ありゃ、やばいって!!」




 なんか……日向は妙に焦ってる。

 見てて笑えるくらい。

 がちょっと間をおいて聞いてきた。




「どうする?」



 顔は笑ってる。

 ま、考えてることは3人とも同じだったって訳だよね。




「もちろん……」

「そりゃぁ……」

「「「逃げよう!!」」」




 俺達3人の息はピッタリで、

 ついでに、話し合ったわけでもないのに逃げる方向が一緒だった。




「てめぇら待てぇ!!」




 隼人はかなり怒ってる。

 追いかけてきてるし。

 俺の横でが“きっとカルシウムが足りないんだよ”って言ってた。


 ………そうかもしれない。


 流石にもう走るの嫌だなぁとか思ってたら良いアイディアが浮かんだ。

 俺はこっそりその事をに耳打ちすると、はすっげぇ楽しそうに頷いた。




「よし!ここは一つ……」

「そうだね親分!!」

「へ?なになに?」




 何も分かってないのは日向だけ。




「「一人犠牲者をっ!!」」




 そう言って日向を軽く押した。

 そん時、隼人がもうすぐ後ろまで来てたから、

 日向は自然と隼人の上に倒れ込むことになった。




「うわっ」

「おいっ!!」


 倒れ込んでる2人を見ても俺も腹壊すかと思うくらい笑った。

 すっげぇ楽しいんだけど!!


 後から来た竜とつっちーも今の状況を見て笑ってるし。



































 で。私達は今、あのまま学校には戻らないでみんなでゲーセンにいる。


 そういえば……あのダミーの人形ばれたかなぁ?

 ……ばれるよね。あれはやっぱ……




「なーにしてんの?

「?!啓太かぁ」

「誰だと思った?」

「………さぁ?」

「なんだよそれ」




 ボーとしてたらしい私に声をかけてくれたのは啓太。

 どうやら今日の所はゲーセンに満足したらしい。

 すっごい笑顔なんだもん。




「じゃぁさ!次どこ行く?」

「うーーん。……隼人達は?」

「ん?あぁ、あそこにいるよ」




 啓太が指差してる先に目線を送る。

 あれはA組の………名前なんだっけ?


 まぁ、いいや。

 そのA組の誰かと話してる。




「何やってんの?あれ……」

「さぁ?」

「竜は知らないの?」




 え?!いつの間に横に来てたんだよ、竜っ!!




「知らねぇ」




 実は俺と竜は隼人達が何してるか知ってる。

 けど、に言ったら絶対に“そんな事しちゃ駄目!!”って言われるなぁってことでには秘密。



































「あ!自転車じゃん!どうしたの?!」




 いきなりつっちーが自転車を持って現れた。

 どっから持ってきたんだろう……?




「あぁ、これA組の本田が貸してくれたんだよ」

「へぇーー………優しいね。本田君」




 本田……さっきの人かなぁ?

 にしてもこんな時間に自転車貸してくれるなんて優しいんだなぁ……。




も乗るか?」

「え?!いいの?!」

「おぅ!!乗れ乗れ!」

「やった!ラッキィ〜〜」




 つっちーに自転車乗っても良いって言われたから乗った。

 あ。……でも2乗りって違反だっけ………?


 そんな事が頭を過ぎったけど、特にその時は気にしなかった。



 それがいけなかったんだろうなぁ………



































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あとがき

    ドラマ沿いに戻りました!!
    やっとドラマ3話目に突入………。

    あ、そういえばドラマでは凧があまり大きくなかったですけど、
    この中では特大凧イメージしました(笑



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