感謝の表し方





 みんなやっぱり優しいんだよね……。

 まぁ、チャーシューってとこがあの……あれだけどさ………





   〜感謝の表し方〜





 ラーメンをみんなで食べ始めたら、

 隼人がヤンクミのラーメンにチャーシューを放り込んだ。

 “今日のお礼”だって。


 隼人に続いてみんなもヤンクミにチャーシューをあげる。

 もちろん!!私も!!


 竜はあげる気配がなかったから、啓太と私で竜を“じっ”と見つめた。

 そしたらじぶじぶって感じだったけど、竜もヤンクミにチャーシューをあげた。




「お前等っ!!」




 ヤンクミは凄く嬉しかったみたいで……

 目に涙を溜めて……いや、それは大袈裟か………。

 まぁ、とにかく嬉しそうだった。


 隼人達は照れくさそうにヤンクミから視線を外してラーメン食べてたけど。




「んーーー!!おいしーー!!」

、幸せそうだね」

「うんっ!!熊ーー!!すっごい美味しい!!」

「サンキュ!そうだ……これサービス」




 そう言って熊が渡してくれたものは……!!

 私の好きなものランキングベスト10に入るものだった。




「……ギョーザ!!」



































 なんかギョーザが出てきた瞬間に……の目の色が変わった。

 とりあえず俺等はラーメン食べながら横目でを見てる。

 ……そんなにギョーザ好きなの?




「ねぇねぇ

「ん?なに?啓太」

ってギョーザ好きなの?」

「そ・れ・が!!ここのギョーザすっごい美味しいの!!」

「へぇーーー」

「熊、ほんっとうに有り難うね!!大好きだよーーーーー!!!」















   ぶはーーーーーーーーっ!!




 行儀悪いんだけど、俺はラーメン食べながら途中途中飲んでいた水を吹きだした。

 だって………“大好き”って……

 しかもはあの店員さん…えぇと熊さんだっけ?

 まぁ、その人に抱きついちゃってるし。




「ごほっごほっ!!」

「ちょっ?!啓太?!どうしたの大丈夫??」




 が立ち上がってこっちに来る。

 ―――原因は君だよ、


 俺は水が変なことに入ってむせながらも、恐る恐る顔を上げて前を見る。

 そこに見えるのは竜と隼人が唖然としている顔。

 いや、怒ってるのかもしれない………。




「………大丈夫?」

「たぶ……ん」

「なんでむせたの?」

「あぁーー。……な、なんでかなぁ」




 自然と俺の目が泳ぐ。

 言えるわけないじゃん。

 が違う男に抱きついたのを見てちょっと驚いたというか……ショックだったと言うか……。




「はぁ、しょうがないなーー」

「何が?」

「はいっ!これあげる!!」




 そう言ってが差し出したのはさっきのギョーザ。

 ………なんで?




「これ、食べたかったんでしょ?」




 ニコニコと笑顔で問い掛けてくる

 なんでむせた理由が“ギョーザが食べたかったから”になるのか分からない。




「あ、いや。別に………」

「あははっ!遠慮はいらなーい!!ほれっ」




 無理矢理、がギョーザを箸ごと俺の口に入れる。

 その際にはニコニコと俺の顔を見てた。



 ………これって俗に言う間接キスというやつでは……?



 恥ずかしながらもそんな幼稚な考えが頭に浮かんだ。

 てか嬉しいんだけど……。




「ね!!美味しいでしょ?」

「え?!あ、あぁ………うん」




 言えない……。

 と間接キスしたことで頭いっぱいで味なんかわかんなかったなんて……



 てか、

 またしても視線が怖い。

 特に隼人と竜。

 なんでそんなに殺気たてるんだよ……!!



 俺は何も悪いことしてねぇのに……きっと………。





「ずりーぞ!!タケ!!」

「つっちー……」

になにしてんだよ!!」

「日向まで……てか俺は何もしてないって!!」

ちょっと顔貸せ、タケ

「えぇ?!隼人?!」

「…………」

「竜!無言は逆に怖ぇからやめて!!」







 ここはお店なのに、みんなギャーギャーと騒いでる。

 その様子を私とヤンクミで笑いながら見てた。


 楽しいなぁ……


 最近はよくそう思う。

 別に前も十分楽しかったけど、

 ヤンクミが来てくれてからその楽しさが倍になったっていうかね!!



































「じゃぁお前等気をつけて帰れよーー」

「はぁーーい」

「おぅよーー」




 ヤンクミと別れて帰る。

 いつの間にかこんなに遅くなってたんだなぁ……。




「よし!

「なに?」

「俺が送ってやるよ」

「ほんと?つっちー」

「おぅ!!」

「なに言ってんだよ、つっちーは家の方向逆だろ?は俺が送る!!」




 けっこう歩いてからだったんだけど、いきなりつっちーがを家まで送るって言った。

 だけど、日向もを送るって言い出した。

 そりゃぁ……みんな考えてることは同じで。

 こっからは5人の戦い。


 俺はさっきからギョーザ貰ったし有利かなぁ?

 なんて思っちゃったりしてみたり……




「俺が送る」

「「「竜?!」」」

「………なに?」




 いや、“なに?”って言われても……

 竜が素直に「俺が送る」なんて言うのは珍しいかなぁ……と




「はぁ?!お前等なに言ってんだよ!はこの隼人様が送るに決まってんだろ?」




 隼人……。

 自分で“様”つけんの淋しくない?

 てかが困ってるし。

 顔が話しに合わせていろんな方向に向いてる。




「な?

「へ?……えっと……」

「隼人ーー。嫌がってるじゃん?」

「タケ……」

「えっへへーー。俺が送るよ、







 啓太がそう言ってから、またみんなが騒ぎ始めた。


 どうしよう……。

 みんな騒ぎすぎだってば……。ここは一応公共の場だよ?

 わかってますかーー???



































 あの後は結局みんなが私を送ってくれることになった。

 私一人に対して五人も送りいらないと思うんだけど……。

 でも、楽しかったからいいんだけどね!




「じゃ、有り難うね!!みんな」

「おぅ!じゃな!!」

「うんっ!!また明日、学校で!!」

「じゃぁなーーー」

「ばいばーーい!!」




 みんなは私を家の前まで送ると帰っていった。

 つっちーは私の家とは正反対なのに本当によかったのかなぁ……って思ったけど、

 送ってもらってからそんな心配しても意味無いのかな。といまさら気づいた。



































「たっだいまーー」




 ま。この“ただいま”っていう言葉も意味無いんだろうなぁ

 私、一人暮らしだし。


 というかほとんど家出に近いんだけど。

 おじいさんは正直、嫌い。

 学校のことだってイメージアップとかの事しか考えて無くて、生徒の心配してる所なんて見たこと無い。

 ていうか、私の心配だってしたこと無いと思う。


 私を黒銀に入れたのだって、周りから良く思われたいと思って、

 “が心配だから目の届くところにいて欲しい”

 そう言ったんだから……。


 だから私は家を出て、アパートを借りた。

 案の定、おじいさんは全く心配なんかしてないみたい。

 私の家を探そうともしない。まぁ、探されても困るけど……。




「はぁーーーー。なんか今日は疲れたーーーー」

「ごくろーさん」

「ん。ありがとっ」

























 …………………???










 今のは明らかにおかしいよね……?

 だって私は独り暮らししてるのに、なんで“疲れた”って言葉に対しての返事が返ってくるの?



 勢いよく振り返ると、そこにはよく知っている顔。

 沢田 慎。




「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?!」

「よぉ」

な?!の?!……は?!

「落ち着けよ」




 そう言って慎は私の頭を撫でた。

 私は深呼吸を何回かした後、真っ正面から慎を見た。




「なんでここにいるの?!」

「暇だったから」

「へぇーー。……じゃなくて!!どうやって?!鍵は??」

「開いてた」

「え?!まじ?」

「あぁ。」




 慎は片手に雑誌を持ち、それを見ながら平然と答える。

 一方、意味が分からないと混乱する




「不法侵入だよ?」

「はぁ。………留守中、俺がこの部屋守ってやったんだよ」

「!!……あぁ、……そっか!!うん、有り難う!!慎」




 冗談で言ったのに………納得すんなよ馬鹿。

 今まで見てた雑誌から目をの方へ移す。

 そしたらと目が合って、が“じゃぁお礼に何か作るよ!!”とか言い出した。


 こいつ………絶対に騙されるタイプだ。

 ま、わかってたことだけどよ……。




「いいよ別に……」

「へ?」

「腹一杯」

「あ、そっか………」

「俺、今日泊まってくから」

「わかったーー!!…………って、はっ?!




 よし、了解も得たことだし。

 今日はん家に泊まりだな。




「ちょ、待ってよ!!」

「なにが?」




 、お前驚きすぎだろ……。

 まぁ、無理も無ぇか




「泊まるってここに?」

「他にどこがあるんだよ」

「はい」

「いいな?」

「……駄目って言ったって無駄でしょ?どうせ…」

「当たり」







 吃驚した……。

 そんないきなり泊まるとか言われても……。


 慎は“じゃ、俺風呂入ってくっから”って言ってお風呂場に向かう。

 ………なんでそんなに私の家のこと知ってるの?!


 ま、いっか。

 ………布団しかなきゃ!!




「あ。

「はい?」




 お風呂場に向かったと思った慎が顔を出した。

 服もちゃんと着てる。

 ……タオルがなかったとか??




「俺、布団いらねぇから」

「は???」

「じゃ」




 なに?布団が無くちゃ寝れないじゃない!!

 ………まぁ慎がいらないって言うならいいけど。



































 そう思ったのが間違いだと気づいたのは私が慎の後にお風呂から出てきたときだった。




なにしてんの?慎




 慎が私のベットに入って寝転がっていた。




「なにって?」

「そこ……私のベット」

「知ってる」

「なら………!!」

「俺に床に寝ろっつーわけ?」

「だから布団ひくって言ったじゃん!!」

「いらねぇ」

「………私の寝るところがないじゃない」

「ここ」




 そう言いながら慎が指差したのは私のベット。

 慎が今寝転がってるのも私のベット。




「………なにをおっしゃいます?」

「一緒に寝ればいいだろ?」

なっ?!




 一気に顔が熱くなったのが分かった。

 それを慎が見たのか、笑いながら“何もしねぇよ”って……。

 ………そういう問題じゃないでしょ!!




「はぁ………」







 は諦めたみたいだな。

 ため息をつきながらも、しぶしぶベットに入ってきた。

 ま、口で俺に勝とうなんて早すぎなんだよ……















 



















この夜、私は竜や隼人達の偽物が現れていたなんて夢にも思っていなかった。



































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あとがき

    すみません!!進んでないです!!(汗
    えぇと、web拍手で“慎をもっと出して欲しい”との、慎関係で沢山の言葉を頂きましたので
    出してみようかと………。
    本当にすみません!!次からはちゃんとドラマ沿いで進ませます……!!

    た、楽しんでいただけたでしょうか……?(汗



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