ハメられた





 今日は目覚ましが鳴らなかった……。

 何故……?





   〜ハメられた〜





 朝日と共に目覚まし時計の音が頭に響く。



 ジリリリリリリ―――――――




「うるせぇ」




 俺は反射的にそれを止めた。



 ……そういえば昨日、が目覚ましかけてたな……。

 ま、いいか。



 俺はもう一度夢の中に入っていく。

 もちろん、を自分の腕の中に納めたまま。



































「ん………?」




 今日は自然に目が覚めた。

 いつもは目覚ましが鳴らないと起きれないのに……。


 でも、なんかおかしい。

 なんで私の目の前に慎がいるんだろう……?



 あ、そういえば昨日………。

 慎が家に泊まってくって言って泊まらせたんだっけ。




「慎、起きよ?」




 ……起きない。

 私は起きたいけど、慎の腕が邪魔で身動きがとれない。



 これじゃぁ遅刻する……。

 とりあえず、今は何時頃なんだろう…?

 7時くらいならなんとか間に合う……。



 そう思って私は手を伸ばして慎の頭の近くにある携帯をとる。



 わっ………

 慎、思ったよりまつげ長い……

 なによ……寝るときまで格好いい顔してるなんて!!


 そんな事を呑気に考えながらは携帯を手に取る。








    パカッ――――








 携帯のディスプレイに映っている文字を見て一瞬心臓が止まった。




うっそぉぉおおぉぉおぉぉぉーーーーーーーーー!!!

「なっ?!」




 あまりにも大きい声だったらしい。

 慎が飛び起きた。




「……んだよっ?!

「これ!これ!!………何時に見える??」

「…………は?……9時17分」




 そう。

 9時17分。


 この17分という数字がリアルだ。




完璧遅刻ーーーーーーーー!!!

「……うるせぇっつーの」






 いきなりの叫び声で起こされた。

 最悪な寝起きだ。


 しかもは涙目になりながら

 俺に携帯を突きつけてきて“何時に見える”か聞いてきた。


 そこまで馬鹿だったとはな……。




「なんで?!昨日、私目覚ましかけたはず……!!」

「あぁ、悪ぃ。……俺が止めた」

「何ですと?!」

「うるせぇんだもん」

「………慎のせいで遅刻じゃないーーー!!!」




 の奴……。

 それだけ叫ぶ時間があるなら早く準備して学校行きゃいいだろ。



































 急いで走ってきたのに、学校には入れなかった。

 理由は簡単。


 目の前にはいろんな学校から来たと思われる生徒さん方が沢山いたから、通る道がなかった。

 しかも、その全員が“小田切と矢吹を出せ”って叫んでる。


 私は少しその場で休んで息を整えてから、また歩き出した。




「ねぇ、ちょっと……」

「あぁ?!誰だ!!てめぇ!!なんで女がこんなとこにいんだよっ!」

「邪魔。どいて」




 言いたいことを簡潔に言ったら向こうは怒ったらしい。

 もとから怒ってたけど。


 しかも退いてくれる様子もない。




「だから、邪魔だってば!!」

「あぁん?!文句あんのか?!コラ」




 いつまで経っても、どいてくれなかったからもう一度言ったら

 その集団の中にいた一人が私の目の前に近づいてきた。




「てめぇ誰だよ」

「なんで教えなくちゃいけないの?」

「あぁ?!ぶっ殺すぞ!!」




 その時、集団の間からヤンクミの姿が見えた。




「あ、ヤンクミーー!!おはよーー」

「な?!?!お前何やってんだよ?!」

「んーー?教室行きたいんだけど、この人達が邪魔でさ」

「てか、今日も遅刻だ。最近多いぞ?」

「ごめん……!!今日の遅刻はちゃんとした理由があって……」

「……後で聞くよ」

「はぁーい」



「お前ら無視すんじゃねぇ!!」




 あ。キレた。

 まぁ、あれだけ平然と目の前で無視されたら怒るでしょうけどね。


 その時ヤンクミが目で合図してくれた。

 “ここはあたしに任せて、は先に教室行ってろ。”

 って合図したんだと思う。


 私は頷いて、集団の間を見つけてうまくすり抜けてく。



 その後、その集団の奴等が逃げていったのは言うまでもない事。



































 場所は変わって3D教室。

 ……やっぱ落ち着くね。ここは




「本当に何もやってないんだな?」




 ヤンクミの声が教室に響く。




「だから何もやってねぇっつってんじゃん」

「ラーメン食べた後すぐ帰ったつーの」




 ヤンクミが安心したように小さくため息をついた。

 その後、竜が言った。




「だいたい暴力沙汰起こして自分の名前言う奴なんかどこにいんだよ」




 うん………確かに。

 そんな事する奴がいたら見てみたいものだね。




「それもそうだな………ってことは誰かがお前達をハメたって事じゃないのか?」




 少し笑いがこぼれていたが、ヤンクミの一言で一瞬みんなの動きが止まった。

 しかも隼人は“あ、そうだ……”とか言ってる。


 みんなが恨みをかってそうな学校、人物をあげていく。

 それはあまりにも多くて……絞りきれなかった。




「はぁ。その事も大事だが……

「へ?」




 いきなり呼ばれたから少し驚いた。

 私も実はどこの学校の人達がやったのかなぁ……って考えてたときだったから。




「最近、遅刻が多いぞ?なにかあったのか?」




 きっとヤンクミは私のことを心配してくれてるんだろう。

 ヤンクミにとってそれが普通のことでも、私のとってはとても嬉しい事だった。




「なにもないよ」




 私が普通に答えたらヤンクミはガクッと肩を落とす。




「お前なぁ……!!さっき理由があるっつっただろ?!」

「あ、あぁ。うん」

「あたしは、それを聞いてるんだよ」




 そう言うことか……。

 そういえばさっき言ってたもんねぇ。“理由は後から聞く”って……。




「理由は………」

「「「理由は……??」」」




 なんでか分かんないけど、3D全員の視線は私に向けられていた。

 なんか……言いづらいなぁ




「寝坊」







「「「「「寝坊ーーー?!」」」」」







「おまっ!それが“ちゃんとした理由”なのか?!」




 ヤンクミが叫んでる。

 ………そっか。

 寝坊はちゃんとした理由に入らないのか……。




「え?でもさ、っていつも目覚ましかけてるんでしょ?」




 啓太が不思議に思ったらしく、私に聞く。




「うん。でもさ、今日の朝止められちゃって……あはっ」

「止められた……?止めたんじゃなくて?」




 みんなは私が一人暮らしをしていることを知ってるから、

 啓太は、私の言った日本語がおかしいと思ったっぽい。

 もちろんみんなも啓太の質問に頷いていた。




「うん。昨日はちょっと友達が来てて……」

「あの時間の後に?!」

「うん……てか私が帰ったらもう中にいたんだけどね」




 は苦笑する。

 他の全員は意味が分からなくて首を傾げる。



 ここで勘と頭がいいのは 小田切 竜。




「まさか、………男?」

「え?竜、なんで知ってるの?!」






「「「「「はぁーーーーーーーー?!」」」」」






 なに?何か変なこと言った?私。

 だって昨日、家に泊まったのは慎。男でしょ?



 “誰?誰?誰??”とに問いつめる者もいれば、“まじかよーー”と叫ぶ者もいる。

 まぁ、反応は人それぞれだ。




「なっ?!!!お前はまだ高3だろう!!」

「ヤンクミ、何を今更?」

「…………高校生らしからぬ行為だぞ!!

「は?」




 ヤンクミの言葉にクラスが頷く。

 ……えぇと。みんな何か勘違いしてない??




「たぶん……みんなが考えてるようなことはしてないよ?」

「へ?」




 だってただ一緒に横になって寝ただけだし……。




「しかも、ヤンクミはその人のことよく知ってるよ」

「なにっ?!誰だ?!」

「だれでしょーー?当ててみて!!………さ、とりあえずは早く机直して授業しよーー??」




 の言葉に頷く者はいなかったが、強制的に授業開始。



































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あとがき

    進まない……(滝汗
    何故なんでしょう…?
    全然先に進んでいかなくてすみませんでした!!



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