隠し事





 なんとか工藤さん達から逃げ切れた。

 “みんなは大丈夫かなぁ”

 そう思っていた矢先。





   〜隠し事〜





「隼人……携帯なってるよ?」

「ん?あ、あぁ」




 つっかれたーー!!

 あんなに走るとは思ってなかった……。


 私はその場にしゃがみ込んで隼人を見上げる。


 ……誰からの電話かなぁ




「もし?あ、竜どした?
 ………あぁ?!てめぇ竜はどうした?」




 隼人の様子がおかしい……。

 電話は竜からみたいだけど、会話が変だもん。


 私は立ち上がって隼人を見ると、すっごい真剣な顔をした隼人がいた。




「………隼人?どうしたの?」

。……お前はここにいろ」

「……?!嫌!!何があったか分かんないけど私も一緒に行く!!」




 なんとなく分かった。

 隼人が私にここにいろって言ったって事は、少なくとも竜の身に何かがあったんだ。


 きっと危険な………


 じゃなきゃ私を置いてどっかに行こうとなんかしない。




「…………危ないんだぞ」

「わかってる。でもそれは隼人も竜も同じ」

「……はぁ。行くぞ」

「もちろん」




 諦めたように隼人はため息をついていた。

 私をおいていこうなんて100年早い!!



































 重たい足を頑張って動かす。

 私達が到着したのはとあるお店の地下。

 ………地下??


 まぁ、それはいいんだけど。




「竜!!」

「竜ーー!何処にいるの?!」




 二人で大声を出して竜を呼んだ。

 でも答えはなかった。


 最初に竜を見つけたのは隼人だった。




「竜………」




 私が見たのは傷だらけの竜の姿。

 私はすぐに竜の元へ駆け寄った。




「大丈夫?!」

「………たぶん」

「竜、立てるか?」




 隼人が竜の腕を肩に掛けて運ぶ。

 竜も歩いてることは歩いてるんだけど、足を引きずっていて辛そう。


 その時、あともうちょっとなのにシャッターが閉まり始めた。




「嘘っ?!隼人!竜!!閉まっちゃう!!」












   ―――――――ガシャン












 シャッターは閉まった。




「まじ、あいつ等なに考えてんだよ」




 竜の言葉に私も同感だわ。

 ……ってまさか




「………ねぇ、まさかとは思うけど、今日ここから出れないの?」

「……だな」

「……………」

「うっそぉ!……寒いじゃん!!

「問題はそこじゃねぇだろ」




 はその場に座り込んだ。


 隼人と竜はこの場所が寒いなんて事は問題じゃない。

 ……こんな密室にといるのが問題だと思っていた。



































「寒い」




 流石、倉庫だけあって自分の声がよく響く。

 ……ってそんなこと考えてるほど暇じゃないのよ!!




「………これ着てろ」

「隼人?……いいの?」

「あぁ」




 隼人が私に上着をくれた。

 でも……これじゃぁ隼人が寒いんじゃ………




「気にすんな」

「……有り難う」




 そう言っては俺が渡した上着を着た。

 横目で竜を見ると、相変わらず表情の動きがあまりねぇけど、


 ありゃ、ぜってぇ悔しいんだって






「へ?なに?竜」

「これもかけてろ」




 そう言いながら竜がの足の上にかかるように上着をのせてた。

 ………ちっ




「えぇ?!でも……」

「スカート……寒いんだろ?」

「あ、……うん」




 なんだよこれ。

 俺の方が先に渡したのになんで竜といい感じになってんだよ……




「隼人、竜。……二人ともありがとね!!」




 当の本人はこんなんだし。

 ……ま、こんなニコニコした可愛い顔でお礼言われちゃぁ許してやらねぇこともねぇ。


 あ。

 良いこと思いついた♪






「ん?」

「こっち来いよ」

「…………???」




 は心底不思議そうに俺のこと見てたけど、

 俺が手招きしてやると、素直に俺のとこに来た。




「よっと……」

へぁわっ?!




 すぐ近くまでが来たら、俺はの腕を軽く引っ張って引き寄せる。

 そん時に竜が俺を睨みつけてたのは軽〜くスルーしておいた。


 てか普通“へぁわっ”なんて発音できねぇだろ




「寒いなら俺が温めてやろう」

「へ?い、いいよっ!!隼人」




 そんなに顔真っ赤にして言われても説得力ねぇんだよ。

 このままを抱きしめていようかと思ったとき、俺の腕の中からが消えた。




「竜っ?!」

「こっちにいろよ」




 ………竜。

 てめぇ怪我してんだろうが


 ちゃっかりを抱きしめやがって………



竜、てめぇ喧嘩うってるわけ?

「さぁな」

「あぁああぁ!!ふ、二人とも!!ストップストップ!!」




 が必死になって睨み合ってる俺達を止めようとしてる。

 けど、今は止めんな。


 こいつには取られたくねぇんだよ。


 ま、竜も同じ事考えてると思うけど。




「じゃぁさ、が決めろよ」

「……………」

「は?……なにを??」




 俺が提案したのはスバリ!!

 本人に決めてもらえばいい。

 竜がなにも言わないとこを見ると、俺の意見でいいらしいな。


 は分かってねぇみたいだけど。


 てか、なんでまだ竜の腕ん中にいんだよ……




「どっちと一緒に寝たい??」

「……………は?!」




 俺が笑顔で言ってやると、

 はやっと意味が分かったようだ。




「いや、どっち……って言われても…………あ!3人で一緒に寝よ??」

「「はぁ?!」」




 の言葉には俺も竜も驚いた。

 まさか………そうくるとはな。


 は早速俺の方に、竜を引っ張りながら近づいてきた。




「よし!これで文句ないでしょ!!」

「…………」

「……はぁ。」

「まったく!!無理しないで寒いなら寒いって言ってくれればいいのに……」




 そうやらこいつは何か勘違いしてるらしい。

 “俺等は、一人だと寒いからを取り合ってた”とでも思ったんだろ。


 ……はぁ。

 
 ため息しかでねぇよ。



































「ねぇねぇ。…………二人とも寝ちゃった?」




 いきなり俺達の真ん中にいるが話し出した。

 それに最初に答えたのは俺じゃなくて竜。




「………起きてるけど」

「俺も」

「私、寝れないんだけど……」




 が小さく呟いた言葉はしっかりと俺にも竜にも届いてる。

 まぁ、こんなに近くにいるんだしな。


 と、竜が何かを思い出したように言った。




「そういえばさ、この間ん家に泊まったのって誰?」

「………へ?……だ、誰だったかなぁ……」

「隠すなよ」




 の目がそのへんを泳いでた。


 ………確かに。俺もその話は気になる。

 この間のの話だと“”だっていうしな。



































 どうしよう……?

 私、二人に“起きてる?”なんて聞かなきゃよかった。

 そうすれば二人も思い出すことは無かったのに


 別に隠さなくてもいいと思うんだけど……。

 やっぱり言いづらいなぁ。


 この間の時、なんか慎とみんな仲悪そうだったし……。




「で?誰なわけ?」

「いや……別に………誰というわけではありませんよ」

「意味わかんねぇし」




 ……困った。




 隠すのはやっぱり無理かなぁ……??



































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あとがき

    微妙なとこで区切ってしまった……!!(汗
    でもまぁ、とりあえずはここまでで……。
    ……てか全然話が進んでいきませんねぇ(笑(ォイ



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