心に響く言葉





  ――――ガラガラガラ

        ―――ガシャン




 扉が開いた。

 ……よかったぁ。

 君はなんてタイミングのいいシャッターなんだ!!





   〜心に響く言葉〜





「シャッターが開いた!!」

「いや、いまそれどころじゃねぇし」

「そうそう。そんなことより誰だよ?お前ん家に泊まった奴っつーのは」




 私はそれこそそれどころじゃないよ!!

 ……意味分かんない日本語になっちゃったけど、


 まぁとにかく話を変えなきゃ!!




「ほらっ!!二人とも行くよ!!また閉められちゃう」

「……それはねぇだろ」

「言い切れる?」




 私が竜に聞き返すと、返事はなかった。

 隼人はこっちを睨んでる……わけじゃないと思うんだけど、すっごい見てた。

 たぶん、また慎のことを聞けなかったからだろう。

 ……って言わなかったのは私なんだけどさ。




「早く!!帰ろうよ!!」

「仕方無ぇな」

「…………」




 よかった。

 二人とも諦めてくれた……




「じゃ、続きは後で聞くから」

「………あぁ」




 わけじゃなかったの?!

 うぁあーー。どうしよう。


 そんな事を考えながら倉庫を後にした。

 で。疲れたし、真っ直ぐ家に帰ろうと思ったのに………


 そうはさせてくれなかった。



 いきなり音を立ててパトカーが私達の目の前に現れたからだ。

 ……私は何もやってない。


 ということは……




「竜、お迎えが来たみたいだよ」

「……なんで俺なんだよ」




 違うのか。

 じゃぁ………後は……




「「……………」」




 私と竜は無言で隼人の方を見る。




「……なんでお前等二人はこっちを見るんだ」

「だって竜のお迎えじゃなきゃ隼人しかいないじゃん。………白状しなさい何やったの?」

………てめぇ」

「うわっ!!そんな怒んないでよ!!冗談だから冗談!!」




 いまにも殴りかかってきそうな隼人。

 もちろん本気で殴ろうとは思ってない……と思う。

 でも、やっぱ怖いなぁ……って思って私は必死の思いで隼人の怒りを抑えようとした。




「………アホ」

「あぁ?!竜なんか言ったか?!」

「………別に」




 ふぅ。なんとか私に向いてた隼人のお怒りは竜の方へいったらしい。

 
 あ。

 ………パトカーから出てきた警察の人達固まってるよ。

 無理もないか。


 パトカーがいきなり出てきたのに

 私達は逃げたり驚いたりするどころか、ふざけて遊んでるんだし。


 “ふざけて遊んでる”と思ってるのは私だけかもしれないけど………




















「とうとうやってくれたな。お前等」




 最後にパトカーから出てきたのはあの背の高い警察の人だった。

 しかも意味の分からないこと言ってるし……




「なにをですか?」

「ん?……お前等女の子まで仲間にしてたのか」

「あぁ?!なんの話だよ!!」

「とにかく……話は署で聞く。早く車に乗れ」




 抵抗したけど無駄だった。

 私達は無理矢理車に乗せられて警察署に向かわされた。



































「悪ぃ」

「……なにが?」

「私は知らないよ」




 竜が小さく呟いた。

 けど、私も隼人も同じような返事を返した。



































「………ねぇ、二人とも。暇じゃない?

「……………」

「暇とかそういうんじゃねぇだろ」

「寝ていいかな?」

「聞けよ」




 少し経ってからが何か言い出したと思ったら

 “暇じゃねぇか”だってよ。


 あり得ねぇだろ。その言葉は。

 しかも俺の話聞かずに机に突っ伏して寝始めたし。

 よくそんなとこで寝れるな……




「おい、竜」

「……なに?」

「こいつのこの性格……どう思う?」

「…………変だろ

「……やっぱりお前もそう思うか」




 なんかわかんねぇけど、竜と親近感が湧いた気がした。

 別に嬉しくもねぇけど。



































 が寝てからどのくらい経ったかわかんねぇけど、

 いきなり部屋の扉が開いた。


 そこに立ってたのはサルワタリ。

 何しに来たんだよ………


 こんなとこに来てまで説教かなんかか?



 サルワタリは俺が考えてたこととはほぼ正反対のことを言った。




「君達の疑いは晴れた。帰る準備をしなさい」




 正直驚いた。

 俺等はなにもしてねぇけど、疑いが晴れるとは思っても見なかったからだ。




「おい。、起きろ」

「ぅ………ん……?」

「帰るぞ」

「へ?………帰れるの?!」




 俺が起こして帰れることを伝えてやると、

 はすっげぇ明るくなった。



































 私達の疑いが晴れたのは隼人から聞いた。

 その時、“絶対ヤンクミが疑いを晴らしてくれたんだ”そう思った。


 警察署から出てくると、3Dみんながいて驚いた。

 ……授業は?

 あ。でもヤンクミもここにいるからみんなが教室にいても授業できないのか……




「みんなぁーー!!」

「うっす!!」

「よっ!




 私は嬉しくてみんなの所に駆け寄った。


 私に少し遅れてあの背の高い警察の人もこっちにきた。




「通報の件は聞きました。まぁ、お手柄と言えばお手柄ですが
 できれば一般市民は余計なことをしないでいただきたい」




 この言葉を聞いてみんなは突っかかっていく。

 でも、その警察の人は気にしてないみたいで、今度は竜と隼人の方へ行った。




「これからは疑われるような行為は慎むことだな」




 なっ?!

 なんてこと言うのよ……。このアディオス刑事!!

 私と隼人は一緒のタイミングで警察の人に向かっていこうとしたけど、

 隼人は竜に、私はヤンクミに止められた。


 その間にその背の高い警察の人は中に入ろうとした。

 けど、それを止めたのはヤンクミだった。




「刑事さん。何か忘れてはしませんか?」




 ヤンクミの言葉に警察の人は振り返る。

 ヤンクミはゆっくり近づいて言った。




「三人に謝ってください」

「や、山口先生?!なに言ってるんですか?!」




 ヤンクミの言葉に一番驚いたのは教頭らしい。

 もちろんみんなも驚いてたんだけど。




「先生。私はまだこいつらが無関係だとは思ってないんですよ」

「だったら証拠を見せてください。
 …………無いんですか?」

「山口……もういいよ。俺達こういうの慣れてるし。」




 竜がヤンクミを止めた。

 まぁ、ヤンクミを止められはしないんだけど……




いいわけねぇだろ!!




 ほらね………。

 だからヤンクミはすっごいいい先生なんだ。




「誰であろうが間違えたときは謝る。それが人の道ってもんじゃないんですか?
 ……少なくとも私は小さいときからそう教わってきました。
 教師になった今も生徒達にそう教えています。

 確かにこいつ等まだ未熟で………いろんな間違いも起こします。
 だから、悪いことは悪い。良いことは良いってちゃんと示さなきゃいけないんです

 なのに……社会に出た大人がそのルールを守らないんじゃ、
 どうやってこいつ等に世の中の決まりを教えたら良いんだよ!!」




 ヤンクミの言葉は心に響く。


 きっと、みんなの心にも響いてると思う。




「………先生の熱意はかいます。果たしてその気持ちがこの生徒達に伝わりますか」

「伝わります。………私はそう信じています。
 だから、刑事さんこいつ等の前でちゃんと筋通してください。お願いします」




 そう言ってヤンクミは頭を下げた。

 ヤンクミが頭を下げることなんか無いのに………



 みんなヤンクミが頭を下げたことに驚いたようだった。

 3D全員が目を見開いてた。あと教頭も。



 そんなヤンクミを見て警察の人は、

 渋々といった感じで私達三人の前に来て頭を下げた。




「………すまなかった」




 そう一言言うと少し悔しそうに警察の人は中に戻っていった。




 私達はというと………


 みんな“やったーー”とか“おぉーー”とか大騒ぎしている。

 隼人と竜も“勝った”って感じで嬉しそうだった。




「やったね!!隼人!竜!!」

「おう!!」

「あぁ」




 もちもん私もその輪に入って大騒ぎしてる。




「おかえりーー!

「あ。啓太ーー!!たっだいま」




 啓太に抱きつかれて私も抱きつく。

 その時にみんなが何か言ってたのは聞こえてこなかった。

 とにかく嬉しかったから………























「よぉし!!お前等、帰るぞ!!」

「「「「「「おおーーーー!!」」」」」」




 ヤンクミの言葉にみんなで賛成の意を表す。



































 場所は変わって熊のラーメン屋。

 ……よくクラス全員が入れたなぁ。




「お腹いっぱい食べていいぞ!」

「ぇ?ヤンクミ……そんなこと言っちゃっていいの?」

「ん?なんでだ?

「みんなすっごい食べるよ」

「………え?」




 言ってる傍から“お代わり”声。

 あぁあ。いわんいっちゃないなぁ。




「「「「「ヤンクミお代わりーーーー!!」」」」」

「え?……お前等、今“ヤンクミ”って
 ……よーし!!何杯でも好きなだけ食えーーーー!!」




 その後私の後ろで聞こえた会話は………聞かなかったことにしよう。




「ちょっと待ったお前等!!
 おかわりするならチャーシューメンじゃなくて、普通のラーメンにしなさい」

「もう遅いよ。ヤ・ン・ク・ミ」

「ちょ、お前等!駄目だってば!!」




 この後、熊のラーメン屋には“おかわり”の声が連呼していたのは言うまでもないこと。



































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あとがき

    や、やっとドラマ3話目終了……(汗
    なんか長かった……!!

    楽しんでいただければ幸いですw



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