久しぶり





「お、おおおお女の先生?!てか……」




 あの顔はどう見ても……




「ヤンクミ?!」





   〜久しぶり〜





 ざわざわと教室が一段と騒がしくなる。

 その中でヤンクミを私はお互いに指差しながら固まっていた。




「なんで……が…?」

「なんでヤンクミが……?」

「だからお前、こいつと知り合いなのかって聞いてんだろ!」




 まだ、状況が把握できていなかった私は隼人の言葉で我に返った。




「え…?あ……う、うん」




 知り合い……。

 うん。めっちゃ知り合いだよ。




「ちょ、こっちこい!!」



































 あのセンコーがを呼びつける。

 でついてってるし。




「隼人、とあのセンコーってどんな知り合いなのかなぁー?」

「知らねぇよ」




 タケが俺に聞いてきたけど、

 そんなこと俺が知りたい。



































「なんでお前が?!」

「それはこっちの台詞だよ!!」




 廊下に出てきて、私はヤンクミと内緒話するように小さい声で話している。

 私の混乱してたけど、ヤンクミは私以上に混乱してるみたいだった。




「……男子校だよな、ここ」

「うん。」

……お前は女だよな」

「男に見える?」

「…………」




 ヤンクミはすっごい困ったような顔をしていた。




「まぁ……いろいろとあって…男子校に通ってるの」

「……はぁ、理由はまだ言えねぇってことか……」

「うん……でも、そのうち言うよ。ヤンクミにならね」




 ヤンクミは無理に聞き出そうとしない。

 だからこそ私はヤンクミになら理由を言える気がする。




「…よしっ!!まぁ、気にしててもしょうがないよな!!」

「あははっ、そうだね」

、教室戻れ!一応私も自己紹介とかしなきゃだから」

「そうだね!…これからよろしく!!ヤンクミ」

「もちろんだ!!」



































 私達はいったん教室に戻った。

 その時、みんなに「知り合い?」「どんな?」とかいろいろ聞かれたけど、

 笑って軽く流しておいた。


 話していくと長くなるような気がするからめんどくさいんだよねぇ……。




「おはようございます。今日からこのクラスを受け持つことになりました。山口久美子と申します。」




 ヤンクミはそう言いながら黒板の開いているスペースに

 “山口久美子”

 と書いていった。


 その時のクラスの雰囲気はとてもじゃないけど

 良いとは言えない。


 みんなヤンクミを睨みつけてるし。



 でも私はヤンクミを心配したりなんかしない。

 だって私は知っているから……

 ヤンクミが大江戸一家4代目で元白金の問題児クラスの担任だったことを。


 むしろ心配なのは隼人達の方……

 あんまり刺激させたり何かしませんように………!!



 そんな私の心配をよそに隼人達はさっそくヤンクミにつっかかっていく。




「んだよ…女かよ……折角新しいセンコーがくるっつうから楽しみにてたのによぉ!!」

「しかも全然色っぽくねぇし!!あれじゃぁ女の風上にもおけねぇな」




 クラスのみんなは笑っていた。

 楽しくて笑ってるんじゃなくて馬鹿にした笑いだった。




「……あだ名はヤンクミ。よろしくね」




 でもそんな事を全然気にしない様子のヤンクミ。

 やっぱり凄いし、格好いいなぁ…




「ヤンクミ?ヤンクミだかトムヤンクンだか知らねぇせどさ、
 そのだっせぇ格好どうにかなんないの?」

「ぶっ、あはははははは……!!!」

「「「「??!!」」」」




 は啓太の言葉で思わず笑ってしまった。

 しかもお腹を押さえてまで……




「いきなり笑い出すなよ!!」

「ごめっ、だって…あははは!!トムヤンクンって?!」

「はぁ……」




 クラスの人達は呆れたようにため息をつく。

 もうこんな会話には慣れているのだろう。

 誰一人気にも止めていない。




「あぁあ〜〜ちょっと遊んでやろうと思っていろいろ用意してきたのになーー」




 浩介が言う。

 その言葉が気になったのか、ヤンクミは聞き返した。

 そしたら、みんなは裏……いや背中?

 まぁ、どっちでもいいんだけど。

 そこからバットやらなにやら取り出した。



 ……って、いつの間に用意したの?!

 私聞いてないよ!!

 聞いてたら止めるもん!!




「用意したのはさっき。が廊下に出てったとき」

「啓太?!人の心を読みとらないでよ」

「いや、だから声に出してるんだって……」

「えぇ?!まじですか…」




 またやっちゃったよ…。

 今度からは声に出さない練習とかしてみようかなぁ〜〜?




「言ってる傍から声に出してるし。」




 啓太が言ったことをには聞こえていなかった。

 というか聞いていなかったのだが……。


 その横ではつっちーが腕を大きく広げてクラスのざわめきを止める。




「ま、安心しな。俺達女に手をあげるような卑怯な真似はしねぇからさ」

「こんなもん用意しちゃって十分卑怯なんじゃないの?」




 ヤンクミの言葉に一瞬光が止まる。

 その時隼人の目の色が変わったのを私は見逃さなかった。




「……なんだとてめぇ…!!ふざけてんじゃねぇぞ!!」

「……まじだけど?」

「上等じゃねぇか…!!」




 つっちーがキレた。

 ヤンクミに近づいていく。

 ……こうして見るとつっちーでっかいなぁーー羨ましい…。



 ―――じゃなくて!!

 止めた方がいいよね……。


 みんなもノリノリで“やれやれー”とか“いいぞつっちー”とか言ってるし。

 “つっちーコール”も始まっちゃった……。




「ねぇ、つっ

「つっちー!!!」




 び、吃驚した…。

 隼人がいきなり大きい声出すから…




「やめとけよ」

「けどよ……」

「…女のセンコー相手にしたって面白くないじゃん」

「………わかったよ」




 つっちーが戻ってきた。



 はぁ。初日から3Dと新しい先生ヤンクミの出会いは最悪ってとこですかね…。

 まぁ、みんな教師とか嫌いだからしょうがないのかな……




 そんな事を思いながらは前の方にある誰も座っていない机を眺める。



































 竜…まだ来てくれないのかなぁ……



































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あとがき

    2話です。(笑
    ドラマ一話分書くのに何話までいってしまうのかしら……(汗(誰?
    才能が欲しい今日この頃。(笑



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