電話





 家に帰って、

 また慎が私ん家でくつろいでたことも吃驚したけど、

 ……今はそんな事より隼人の方の問題が………





   〜電話〜





 隼人に、


 “先にお風呂入っておいでよ”


 って言ったら逆に「お前が先に入ってこい」って言われた。

 まぁ、その方が夕飯作るのにも都合が良かったりする。

 だって私が先に入っちゃえば、

 隼人がお風呂に入ってるときに夕飯作れるからご飯が冷めることはない。


 という事で。



 私が先にお風呂にはいることになりました。




「んじゃー、隼人はその辺に座っててね」

「おぉーー」




 私が話しかけたときには、

 隼人はちゃっかりと私の部屋にあったゲームに手をつけていた。

 ……行動早いなぁ。



































 に「風呂に入ってこい」って言われたけど、

 気分的に俺はあとで良いって言っておいた。

 そしたら案外素直には風呂場に向かっていった。


 んで、ただ座って待ってるのも暇っつーことで俺の目の前にあったゲームに手をつけた。

 女の一人暮らしの部屋にもゲーム機ってあるもんなんだなぁ。

 ………が例外なのかもしれねぇけど




 どのくらい経ったか分からねぇ。

 気づくとゲームはクリアしてた。

 、お前………いくらなんでも風呂長すぎだろ。


 暇になった俺はまたこの部屋を見回してみる。

 結構……いや、かなり綺麗にしてある。














 PiPiPiPiPiPi――――――

         PiPiPiPiPi――――――――













 そんな事を考えてた時だった。

 いきなり携帯の着信音が鳴った。


 俺は慌ててポケットの中にある携帯を出す。

 が、どうやら鳴っているのは俺の携帯じゃないらしい。

 俺のじゃないっつーことは……のか………




「どこで鳴ってんだよ……」




 俺は立ち上がって音の鳴っている方向を探る。


 机の上か……




「いつまで鳴ってんだよ。………たくっ」




 しつこい奴だな。


 そう思いながらも俺はの携帯を手に取った。

 で。携帯を開いて、ディスプレイを見て一瞬驚いた















        “竜”














 ディスプレイに映っていたのはその一文字。

 あいつ……電話なんかすんのかよ


 俺はの携帯だということを忘れて電話に出た。



































 今日はの様子がおかしかった。

 ……いつもおかしいんだけどよ。

 いつも以上に変だった。


 なんとなく隼人が怪しかったから聞いてみたけど、

 今考えてみたら、あいつがぜってぇ本当のことを喋るわけが無ぇ。



 別にのことを気にしてるつもりは自分ではなかった。

 けど、気づいたときにはに電話してた。




「………出ねぇじゃん」




 もう何十回も鳴らしてると思う。

 けど、が電話に出ねぇ。


 “何かに巻き込まれたんじゃないか”


 そんな考えが頭を過ぎる。

 ちょうどその時、やっとが電話に出た。




 そう思った。


















 ――ガチャ




「あ。?お前今日はどうしたんだよ」

『…………』

「……?おい!

『…………』




 電話の向こうにいるはずのが喋らなかった。

 いつもならぜってぇ鼓膜が破れるんじゃないかってくらいでけぇ声で話すくせに、

 今は何も喋らなねぇんだ。




じゃねぇよ』

「………?!」




 電話の向こう側から聞こえてきたのは明らかに男の声だった。

 しかもこの声は………




「隼人か?」

『あぁ』

「………なんで隼人がの携帯に出るんだよ」

『秘密』

「はぁ?!」

『あ。そろそろが風呂から出てくるから切るわ』




 そう言って隼人は勝手に電話を切りやがった。

 つか、何での携帯に隼人が出るんだよ……

 ……てことはあいつ等今、一緒にいるっつーことか?



 この時何を考えてたのか自分でもわからねぇ。

 けど、俺はの家に向かって走っていた。



































 電話に出たらやっぱ文字通り相手は竜だった。




『………なんで隼人がの携帯に出るんだよ』




 竜がキレ気味に聞いてきたから、

 ちょっと自慢してやろうかと思って




「秘密」




 って言っておいた。

 そん時に竜が小さく舌打ちしたのが聞こえてきた。

 ……なんつーか。


 すっげぇ優越感??



 ちょうどそんな事を考えてるとき、

 タイミングが良いんだか悪いんだかわかんねぇけど、が風呂場から出てくる音が聞こえた。




「あ。そろそろが風呂から出てくるから切るわ」




 そう竜に言って一方的に電話を切った。


 ぜってぇ唖然としてるな、竜の奴


 そん時はそう思った。

 それを、後から後悔することになるのを俺が知るわけがない。



































「あ。隼人ーー次どうぞーーー」

「ん。サンキュ」




 が出てきて、その声に反応して俺は振り返った。


 はいつもとは全然違った。

 かなりラフな格好で、もちろん三つ編みもしてねぇ。

 しかも、まだ髪が乾いてねぇみたいでタオルで髪を拭きながら………



 やっべぇ………

 すっげぇ可愛い……てか綺麗……?


 これずっと見てたら駄目だわ……

 そう思って俺は視線の先をから反らせた。



































 私はお風呂から上がったから、隼人を呼んだ。

 そしたら隼人は私の方を振り返って静止していた。


 ………何故に??




「あのーー。隼人サン?どうかしましたかー?」




 近づいて、隼人の目の前で手を上下に振ってみる。

 そしたら隼人はやっと我に返ったみたい。




「あ?あ、あぁ………入ってくるわ」

「……?うん。いってらっしゃい」

「おぉ」




 何故か隼人は私と目を合わせようとしなかった。




「変なの………」




 が小さく呟いた言葉を聞いた者はいない。



































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あとがき

    この回でオリジナル終わらせようと思ったのに終わらなかった!!(汗
    まとめるの下手ですね……。

    すみませんっ!!

    ↓いきなり次回予告!!(ぇ)↓
    竜はの携帯に隼人が出たことから、急いでの家に向かう!!
    竜がの家に到着すると、そこにいたのは隼人との二人。
    どうするっ?!小田切竜

    ………なんなんだろう。この次回予告(笑



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