たこ焼き





 今頃はヤンクミ怒ってるだろうなぁ……

 ………殺されるかも……あははは……





   〜たこ焼き〜





「ねぇ、これは……?」

ーー!聞くまでもねぇだろ?」

「いや………あのね、つっちー……」




 今現在、私の目の前にあるのはマネキン。

 本来ならば、ここ黒銀学園の共学用の制服が飾ってあったはず……。


 なんか、ちょっと違う。

 てか、かなり違うっ!!


 だって女の子の方は黒タイツにパンチパーマ。

 しかもスカートはミニだし……。


 男の子の方は……

 これはまた……

 なんというか………

 一昔前のヤンキーみたいな……?




「これはマズくない??」

「いやいや!やっぱこれくらいやんねーとな!」

「………にしても誰のセンスなの?これ」

「「「「…………」」」」




 の一言に5人の動きは綺麗に止まった。

 そんな中、一番先に動いたのは竜。




「……隼人だろ」

「なっ?!竜てめぇ!!嘘つくんじゃねぇよ!!これはつっちーだろ?!」

「いやいや俺じゃねぇって!!なぁ?日向」

「なっ?俺じゃねぇよ!!あ、あぁーー思い出した!タケだったろ?」

「え?!なんで俺になるんだよっ?!」




 “何をしてるんだこの人達は……”

 とでも言いたげな顔では5人の言い争いを見守っていた。




「まぁ、誰でもいいんだけど……。早くしまわないと教頭来るよ?」

「「「「あぁ!!」」」」

「……気付くの遅ぇだろ」




 の言葉に我に返った5人……といっても竜は見ているだけ。

 まぁ、竜以外の4人はいそいそとカーテンを閉め、準備万端で制服公開に挑む。




































「皆様も関心の高い制服ですが検討に検討を重ねまして、
 遂に決定いたしました。
 ……それではお披露目させていただきたいと思います。とくとご覧あれ」




 そう言って教頭はカーテンの紐をひっぱった。


 その時の中学生の期待に満ちた顔が忘れられなくなりそうだ……。

 可哀想なことしたなぁ……。




「あれぇーー??」




 教頭はなんだかよく分からない声を上げた。

 ……新種の動物みたい。

 あぁー。動物園に新種動物“サルワタリ”って送ったら何かもらえないのかなぁーー。




「教頭!!うちの生徒達が…………」




 タイミングが良いのか悪いのか。

 ヤンクミがドアを勢いよく開けて入ってきた。


 みんなで頭を出来るだけ下げて隠れようとした。

 というか、隠れたんだけど………

 問題発生。














     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪














 携帯の着メロが鳴った。

 誰の携帯かと思って周りを見てたんだけど………

 音の出所は私のポケットの中だった。




「はい?ですよ??」

『……んなことわかってるよ』

「ん?!この声は………」

『この間はどうも。よくあんな寒い中窓から追い出してくれたよな?』

「……

、うるせぇって!!バレるだろ!!」




 声が大きかったらしい。

 隼人に怒られてしまったよ。

 ……しかもこれから慎に怒られる……と思うし………




「だぁれだ?!携帯の電源切ってないのは!!」




 教頭怒ってるよ……。

 てか早く電話に出ないとっ!!慎がもっと怒るじゃん!!


 そんな事を考えてるとき。

 ……やっぱ見つかったっぽい。




「お前等ぁ!!
 こらー!教師を監禁するたぁいい度胸じゃねぇか!!」




 ヤンクミ怒ってるー!!

 死ぬ!まじで死んじゃう!!


 その時に教頭がヤンクミに何か言ったみたい。

 いきなりヤンクミの態度が変わった。




「だ、駄目じゃない君達」

「「「「「君達ぃ?!」」」」」

「どうしちゃったの?ヤンクミ」




 あ。てか電話!!

 みんなが吃驚してる間に……




「ちょっとお先に失礼しまーーす」

「ちょ、?!」




 電話でないとっ!!

 私は急いでとりあえずは校舎から出た。

 その時私はみんなと一緒にいなかったから知らなかったんだ。

 つっちーとつっちーの先生の事を……




































「ご、ごめんっ!慎」

『はぁ。………なにしてたんだよ』

「う〜ん。学校見学会を盛り上げよう企画……?」

『……こっちが聞いてんだよ馬鹿』

「ばっ?!あのねぇ!!」

『…………で?』

「へ?で??」

『……この間の事はなんだったわけ?』

「あぁーー」




 この間のこと。

 たぶん慎はあの隼人と竜が私の家に泊まりに来たときのことを言ってるんだと思う。

 というか、それ以外に当てはまることが無いしね。




「ごめんっ!寒かったでしょ?」

『……………』

「あの時、隼人が入ってきて……ほら、この間慎と隼人睨み合ってたじゃん?
 だから会わせない方がいいのかなぁ………と」

『……ふーーん』

「納得?」

『別に』




 いや、今の“納得?”っていう質問に

 “別に”っていうのはおかしいでしょ?




「じゃぁなんか奢るから!!」

『……あぁ。』




 よしっ!

 これで慎に許してもらえる……と思う。




































 あの後、玄関にいたらみんなが出てきた。

 なんか……つっちー不機嫌?




「……?どしたの?つっちー」

「ん?。……歩きながら話すよ」

「うんっ」

「サンキュ」




 そう言いながらつっちーは私の頭を撫でた。

 ……私にはつっちーの言った“サンキュ”の意味が分からなかった。




、行くぞ?」

「あ。う、うん」




 ボーとしてたのかなぁ。

 自分ではよく分かんないけど、なんかいつの間にかみんなに置いて行かれるところだった。

 隼人が言ってくればきゃ置いてかれたかなぁ……?




































「やっぱ一発ぶん殴っときゃよかったかなーー。
 俺、あいつには中学ん時、目の敵にされてたかんなっ!!」




 神社の前を通ったときにつっちーが言った。

 さっきつっちー達からその石川って先生のことを聞いた。


 話を聞けば聞くほど最低な先生だった。




「はぁ……でも殴ったら駄目だからね?」

、………わぁってるよ」

「うん。よろしい」




 ……本当に殴っちゃったりしたら困るからね。



 と、そんな話をしながら歩いていたら

 目の前にたこ焼き屋が見えてきた。

 どっかで見たことあるような………あはは……見間違い?



「あ。ちょっと先行ってて!」

「どした?

「靴ひもほどけた」

「すぐ来いよーー」

「うん。わかった!隼人」



 啓太がそこに一番に歩いていってたこ焼きを注文した。




「たこ焼き一つ」

「はいよっ!……みんなで分けんのか?」

「うん。金ねぇし」




 やっと靴ひもを縛ることが出来て、

 みんなに追いつく。


 やっぱりさっきのは見間違いじゃなかったんだ………

 そこにいたのは見たことのある顔




「テツさんとミノルさん………?」

「「「「「??!!」」」」」

「あ……!!」




 まずった。

 いきなりの事だったから声に出しちゃった……。




「知り合いなの?

「け、啓太?!あ、う、ううんっ!!全然知らない人!」

「へ?だって今……」

「あ、あああれ!!」




 そう言ってがあるモノを指差した。

 あるモノとは……


 電信柱に止まっている真っ黒なカラス。




「カラス……?」

「そ、そうなの!
 私一回カラスに名前つけてみたかったんだよねぇ!!
 あ。ほら!右側がテツさんで……ひ、左側がミノルさん!!

「…………変なの……」




 な、なんとか誤魔化せた……?

 いや誤魔化せてないと思う。特に竜と隼人には……


 困ったなぁ




「あ。じゃ、じゃぁたこ焼き一つサービスだ」

「おぉーー」
「いいんすか?」




 うんっ!

 ナイスフォロー!!テツさん!!

 これでみんなの気がそれたっ!……竜以外の。


 の苦労には気付かず、つっちー、啓太、日向、隼人はたこ焼きを頬張る。




「このたこ焼きまいう〜〜
 ほらっ!もおいでよ!!」

「啓太……。うんっ!」

「はいっ!あーん」

「え?あーん」




 啓太のノリに合わせて、

 は啓太からたこ焼きを貰った。




「うをっ?!なにやってんだよタケ!」

「ずりーだろ!」




 上からつっちー、浩介。

 何がずるいの??


 二人もたこ焼き食べてるじゃん?




ーー。こっちおいでーー」




 たこ焼きを食べながらそんなとこを考えてるとき。

 隼人に呼ばれた。

 手招きというオプション?つきで。




「なんか隼人………変」

「変とか言うなよ!!」

「あははっごめんね!」




 謝りながら私は隼人の方へ近づいた。

 で、何をするのかと思えばたこ焼きを一つ差し出された。




「よし!ほれあーん」

「……?あーん」












  ―――パクッ












 隼人からたこ焼きを貰おうと思って口を開けた。

 で、確かに今私の口の中にはたこ焼きが入ってる。

 だけど、可笑しい。


 目の前にいる隼人もたこ焼き一つ持ってるんだよねぇ。




「…………?」




 なんとなく上を見上げたらそこには竜がいた。

 たこ焼きの刺さってないつまようじを持って……




「ふゅうふぁふへはほ?」

「食ってからしゃべろ」

「……ん。」




 言われた通り、ちゃんと食べ終わってから私は口を開いた。




「竜がくれたの?」

「………あぁ。」

「そっか。……ありがとっ!!」

「……………」

竜、てめぇ……!!




 何かよく分かんないけど隼人が怒ってる。

 ………?

 まぁ、いっか。たこ焼き美味しかったし!!




「ほらーー!帰るよ?隼人ー竜ー」

「ちっ、覚えてろよ竜」

「…………」




 なんか喧嘩しそうな雰囲気だったから

 止めて置いた。

 なんか隼人は動く気がなかったっぽかったから私が後ろから押す。




「ほらーー。歩いてよー隼人ーー?」

「んー?どうしよっかな〜」




 そうですか。

 なら私にも考えはあるもんねぇ




「む。じゃぁ今日は隼人の奢り!!」

「は?!」

「おぉーー太っ腹!」

「ゴチです!」

「サンキュー隼人」

「悪ぃな」

「な?!てめぇら!!」




 思った通り、みんなが『隼人の奢り』ってことに賛成。

 あ、ちなみに上から啓太、浩介、つっちー、竜。


 隼人がお金を払うと、つっちー以外はすぐ行ってしまった。

 その時につっちーがテツさん達に一言言っていたのを私は見た。




「ご馳走様です。美味しかったっす」

「また食いに来てくんな!」

「うぃっす!ほら、行くぞ」

「あ。うん」




 一応テツさん、ミノルさんと目を合わせて頭を下げた。

 二人に“美味しかったです”って伝われば良いんだけど………
































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あとがき

    24話です!
    ドラマの内容が進んでいきません!!(ヒ○シ風
    う〜〜ん。困った(笑



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