変わりない仲間達





 家に帰るのも何故か今日は一人だった。

 というのもみんなの様子があまりにも可笑しくて、

 一人で帰ってきてしまったのだけれども………。





   〜変わりない仲間達〜





 家の前に立つ。

 いつもと変わりない様子。


 だけどいつもとは違う。

 さっき慎から連絡があった。



 “いまからみんなでん家行くから”



 って………。

 『いきなりすぎる!!』っていうのと『みんなって誰?!』

 これが私が思った二つのこと。





 少し大きめなため息をついてドアを開ける。




「たっだいまーー」

「「「おかえり〜〜〜」」」




 なんでハモッてるんだろう??


 リビングまで歩いていくと前と変わらない顔で彼らは座っていた。




「久しぶりだね♪野田」

「おぅよっ!!あ、三つ編みも可愛いじゃん」

「ありがとうっ」




 最初にが飛びついたのは野田。

 野田も飛びついてきたを受け止めて頭を撫でた。




「南もっ!!」

「よっ!元気だったか〜?」

「そりゃぁ元気だったよ?」




 は野田に飛びついたままの姿勢で野田の横にいた南に話しかける。

 南もの頭に手を伸ばし、グリグリを撫でた。




「うっちー!!格好良くなったじゃん」

「馬鹿!俺は元から格好いいんだよ」

「それは失礼しましたーー」




 いったん野田から離れ、は内山に抱きつく。

 内山は、さも当たり前のように抱きつき返す。

 二人は笑いながら話をしていた。




「熊ー………はこの間もお店で会ったね」

「おぅ!」




「慎も会ったから特になし」

「………なんだそれ」




 熊井と沢田にはは特にコメントしなかった。

 ……最近会ったばかりだからだろう。









 ―――その時



 の動きが止まった。

 目線は沢田の横にいるもう一人の人物。



































「クロ………?」

「よっ!」

「わっ!!久しぶりーーー!!」




 そう叫びながらは黒崎に抱きついた。


 黒崎裕次

 白金にいた頃、3Dそしてバレー部に所属していたが退学にされた者。





「うわぁっ!ほんと感激っ!!」

「相変わらずだな、

「クロも相変わらず格好いいーー」

「サンキュ」




 白金にいた頃、当時2学年。

 沢田、内山、黒崎そしてはもの凄く仲のいい仲間だった。


 黒崎が退学されたことにより多少問題も起こったが

 今はその面影すらない。





「おいおいおいおいー!!クロとはな〜にいい雰囲気になっちゃってんの??」




 クロに抱きついていた私にうっちーが声を掛ける。

 ……だってクロに会えるとは思ってなかったから嬉しいんだもん。




!俺の所に来いっ!!」

「南は嫌ーー」

「うわっ!ショック!!」

「あはははははっ!!私はクロの隣に座るーー♪」




 南が急に手を広げて私に飛びついて来い……だって。

 なんかその時の南はすっごい面白い顔してた。



 ちゃんとクロの隣の席を確保して、飲み物の用意を始める。

 とりあえず……みんなコーヒーっでいっか!



































「はぁー。相変わらずはクロの事好きだよなー」

「うっちー……そんな落ち込むなって!」

「野田、お前は何でそう元気なんだよ?」

「そう見えますー?」

「見える」

「まじで?!」




 途中から意味の分かんねぇ話になってるって事に

 きっとこいつ等は気付いてねぇ。




「てか、好きの意味が違うだろ」

「え?なになに慎どゆこと??」




 呟いたつもりだったのに隣にいた南には聞こえてたみてぇだ。

 興味津々って感じでこっち見てる。




「クロも分かってんだろ?」

「あぁ」




 一応確認しといた。

 万が一分かってねぇとめんどくせぇからな。




「なに二人で分かっちゃってんだよっ!!俺等にも教えろ!!」

「「………めんどくせぇ」」










「わっ!二人とも息ピッタリだね」

?」

「コーヒー持ってきましたーー!!」

「さっきからいねぇと思ってたらそんなことしてたんだ?」

「うん。慎達は何話してたの??」




 は俺等にコーヒーを配りながら最終的にはクロの隣に座る。

 ……クロは俺の隣にいたから自然とは俺の隣に座ってることにもなるんだけどな。




「それがさー」

「うん?うっちーどうしたの??」

はクロの事好きだろ?」

「うん」

「ほらー!慎!!何が違うんだよ!!」




 意味が分からない。

 コーヒーを運んでいったらいきなりの質問が

 “クロの事好き?”

 ……何が聞きたいの?



 私はみんなのこと好きだよ?




「………そっちじゃねぇだろ」

「はぁ?!意味分かんねぇって慎!」

「?……私みんなの事好きだよ?どうかしたの??」

「「「「………………」」」」




 私の言った一言でうっちー、野田、南、熊の動きが止まった。

 クロと慎はため息ついてるし。。。



 ……一体なんだって言うのよ?!




「はぁーー。なんだよそういうことかよ」

「気付くの遅ぇだろ」

「だってよぉ。……じゃぁあれか?はクロに一番なついてるって事か?」

「「「「「…………」」」」」

「………だから何の話?」




 うっちーと慎の会話でいきなり静かになった。

 本当に何の話か分からない。

 ……誰か説明してよっ!!




「……まぁいいや。で?今日はなんで集まったの?」

「はぁ?!なに言ってんだよ!!」

「南、大きい声でしゃべんないでよ……」

「明後日が何の日か分かってるー??」

「明後日…………?」




 南の言葉で考えてみる。

 明後日……明後日は14日。

 2月14日………?!




「バレンタインデー?!」

「「「ピンポーン」」」




 野田と南とうっちーの声が重なる。

 ……なんでいつもいつも重ねることが出来るのか不思議でしょうがない。

 って今はそれどころじゃ無いんだった!!




「忘れてたー。」

「おい!」

「えぇー?!」

「まじでかよ」

「…………」

らしいな」




 上から私、うっちー、野田、南、慎、クロ。

 熊は……持ってきたお菓子を食べてた。




「うわ〜。女の子として駄目じゃん私」

「だな」

「野田っ!!」

「あ、悪ぃ!!」

「どうしよー。。。……ってそれ伝えるためにみんなで来たの?!」




 そうだとしたら、……みんな変だよ?




「……変とか言うなよな」

「えぇ?!」

「声に出てるぜ」




 クロに言われて口を押さえる。

 まぁ……今更口おさえても遅いんだろうけど。。。




「うーん。確かにこれを伝える為にっていうのもあるけど、久しぶりにみんなの顔も見たかったしなぁ……」

「野田キモイ」

「うっちー意味分かんねぇ」

「男にそういうこと言うなよ!キモイ!!」

「うっせぇ!」




 あぁー。

 久しぶりだなぁ。こんな光景。

 二年前は当たり前の光景だったけど今となっては懐かしい。



 うっちーと野田の言い合いとか……


 そんな事は気にも止めないでお菓子食べてる熊とか……


 興味なさそうにその様子を見てる慎とクロとか……


 二人を止めようとして、とばっちり受けてる南とか……



 来てくれたみんなには感謝しないとだね。。。

 いつもは一人で淋しい部屋が、今日はこんなに楽しいんだから………。




「みんなっ!ありがとねっ!!」




 の言葉に全員が止まる。

 もちろん野田と言い合いしてた俺も。

 ……それもそのはず。


 その時のの顔はすっげぇ嬉しそうで、可愛かった。

 前と全然かわんねぇんだなぁって思う。



 まぁ、俺にとっては妹みてぇで

 たぶん野田と南と熊もそうだ。

 慎とクロは……違う感情もあるのかもしんねぇけどな。


 とにかくは俺にとって可愛い妹ってことだ。




「お礼は明後日でいいぜー」

「待ってるかんな」

「うんっ!わかった!!楽しみにしててね」

「「「「おぅ!」」」」

「「……………」」

「で?今日はどうするの?」




 は飲み終えたコーヒーを持って立ち上がろうとした時

 ふと思いだしたように言った。




「泊まってくー」

「えぇ?!」

「みんなでゴロ寝!!」

「……それは楽しそうかも」

「だろだろー?」




 内山との会話を見ていた野田が立ち上がる。

 その時にも一緒に立ち上がり、は片付けをするべくキッチンに向かう。




「ヤローが隣なのはごめんだ!!つーことで俺の隣で寝るー♪」

「「却下」」

「うわっ!うっちー、南なんだよそれっ!!」

「野田が隣になるくらいなら俺が隣になるし!」

「なに言ってんだようっちー!!俺が隣だし!」

「…………てか、お前等ぜってぇ寝ないだろ」

「「「……それもそうだな!!」」」




 沢田の見事なツッコミに納得する一同。

 一同と言っても野田と南と内山の三人。





 沢田は立ち上がっての元へ向かった。



































「…………手伝う」

「あ、慎?……ありがとう」




 そして洗い物をしていたの隣に行き、

 一緒に洗い始めた。




「慎が手伝ってくれるなんて珍しいじゃん」

「………んなことねぇだろ」

「あるっ!慎はめんどくさがり屋だから!!」

「……………」

「あ、怒っちゃった?」

「………別に」

「なら良かった♪」




 カシャカシャと音を立てる食器に二人の会話が混ざっていた。




「にしてもさー。」

「………なに?」

「まだ二年しか経ってないのに懐かしいよねーー。」

「あぁ」

「すっごい楽しいっ!!」

「……良かったな」




 そう言って沢田は笑った。

 も顔を嬉しそうにほころばせた。




「今日は有り難うねっ!」

「……さっき聞いた」

「や、だってさぁ、今日みんなを集めてくれたのって慎でしょ?さっきクロから聞いたー」

「……………」

「だから、ありがとう!」

「気にすんな」




 そう言う慎の顔は少し照れているようにも見えたのは

 私の見間違いだったかも知れない。



































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あとがき

    ………なんか違う!!笑
    途中から話ずれた?!笑

    サンは白金メンバーからも贈り物をもらう予定だったのに……!!
    でも、まぁ贈り物より楽しい時間をもらえたのでそれで良いですか?

    ……眠いからか自分が何を言ってるか分からなくなってきた。。。笑



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