高所恐怖症





 学校サボッて遊園地に来るっつーのも悪くねぇ。


 てか男5人で遊園地は来たくねぇよな。

 がいるからこそ、こーゆーことが出来るっつーわけだ!!





   〜高所恐怖症〜





ーー!!何処行く?てか何乗る??」

「……なんで日向はよりはしゃいでんだよ」

が来たいって言ったのにねぇ」

「いいじゃねぇか!何事も楽しまねぇと♪♪な?

「あはははっ!そうだね〜〜楽しもうっ!!」




 を中心にしてタケと俺が横。

 日向はの前で、器用に後ろ向きで歩きながら話してる。




「で?どうするどうする??」

「どうしよっかぁ」

「あ!!あれなんかよくね??」




 悩むを気に止めず日向はジェットコースターを指差す。


 ………お前そんなに楽しんでんの?!




「あ、いいねぇ!あれ乗ろっか!!」

「うしっ!」

「了解♪」

「いやったぁーーー!!俺ジェットコースター大好き!!」

「浩介はしゃぎすぎだってば!!」




 そう言いながら笑うを見て、自然に俺達も笑えてきた。

 日向はすんげぇ嬉しそうにの手を取って走り出した。

 で別にまんざらでも無ぇから笑いながら一緒に走ってる。


 その2人を俺とタケは顔を見合わせて追いかけた。

 ……つか隼人と竜はまだ来ねぇの?



































「おぉーーーー!!」

「浩介、口開いてるから」

「あ、身長130p以下は乗れないってよ」

「「「………………」」」




 ジェットコースターまで辿り着いてみると、

 そこには等身大の小さい男の子の絵があった。

 その絵の横に矢印してあって


 “130p以下のお子様は乗っちゃ駄目だよ”


 と、可愛らしく?書いてあった。




 俺達3人は振り返って後ろにいたタケを見た。




なんで俺を見るんだよっ!!

「いや、だって……ねぇ?」

「なぁ?」

「おう」

「え、てか俺はよりでかいし……!!」

「あははっ!ちょっとだけどねーー」

「ちょっとでも俺のがでかいの!!」

「は〜〜い。」




 が認めたところでタケが思い出したように言った。




「あ、てかどうやって乗んの?」

「「「あぁーーーー」」」




 そう言われてみると……そうだよな。


 ジェットコースターはもちろん2人乗り。

 俺達は4人。

 うち1人は女、3人は男。

 ……どう考えても、男2人で乗るよりと2人で乗りたいだろ。




「俺、と〜〜〜」

「何言ってんだよ日向!俺がと乗んの」

「日向もタケもちげぇだろ!俺がと!!」

「……………」




 ギャーギャーとジェットコースター乗り場前で言い争う男3人。

 はその様子を少々呆れながらも、笑いながら見ていた。














 3人の言い争うが始まって早5分ほど。


 ようやくこのまま言い合っているのが無駄なことだと気付いた3人は、

 じゃんけんの勝敗でと一緒に乗る人物を決めることにした。




「ここはじゃんけんだな」

「おぅ。望むところだ」

「ぜってぇ負けねぇ!!」




 3人とも腕まくりをし始め、気合い十分でじゃんけんを始めた。




「「「じゃーんけーーんポンッ!!」」」














「ギャァーーー!!」

「うっそ?!まじで?!ありえねぇ!!」

「…………まじで?」




 パーを出し、かなり怪しげな叫び声を挙げたのは土屋光。

 同じくパーを出して自分が負けたことに納得がいかないのは武田啓太。


 そして、一人チョキを出して自分が勝ったことに驚いたのは日向浩介。

 日向はまさか自分が勝つとは思っていなかったらしく、

 凄く驚いていた。




「俺勝っちゃったよ……」




 日向は一人、まだ手をチョキの形にしたまま固まっていた。

 そこにゆっくりとは近づいて行った。




「……じゃぁ私は浩介と乗るのかなぁ?」

「おぉ?!………おぅ。そーゆーことだな」




 が自分の前に現れたことによって我に返った日向はいつもの日向に戻った。




「よっしゃーー!!行くぞーーー!!」

「はしゃぎすぎだってば!」




 日向は叫びながらの手を引き、

 は笑いながら一緒にジェットコースターに乗り込んだ。














「はぁー。」

「ため息つくなよ」

「だってさ、つっちー……」

「俺だってとが良かった!!」




 残った2人の会話を聞いていた者はいなかった。



































 ガシャンという音と共にシートベルト?みたいな物をつけられた。




「なんか……緊張しない?」

「するっ!!てか俺すんげぇ嬉しいっ!!」

「………何が?」

と乗れるのが♪」




 横を向くと、すっごい嬉しそうにニコニコしてる浩介がいた。

 だから私もニコニコしながら浩介を見た。




「私も嬉しいよー」

「…………え?」




 の言葉に驚いた俺はきっと目を丸くしてるんだろうなぁ……って思う。




「みんなと遊園地に来れて!」

「……あぁー。………そっちね。。」

「うん?私なんか変なこと言った?」

「いや。別にっ!……よしっ!上まで行ったらなんか叫ぼうぜ!!」

「えぇーー。……その叫ぶことによって」

「うーん。どうすっか?」

「どうしよう?」




 こんな事で真面目に悩む俺等2人。

 端から見たら怪しくてしゃーないだろうな。


 ま、楽しいんだけど?




「あ!!『昼は手作り弁当食いたいーー!』とか?」

「や。ごめん、意味分かんない」

「いいんだよ。意味分かんなくて」

「……そういうもんなの?」

「そういうもんなの」




 そんな会話をしているうちにジェットコースターは動き始めた。

 うわっ!まじで楽しみかも!!




「動いたっ!!」

「そりゃ動くだろ」

「まぁね〜」




 ジェットコースターが動いたことに何故か驚いた

 意味分かんねぇ。




 ガタンゴトンと頂上に近づくにつれ、の表情が硬くなっていくのが分かった。




「なに、怖いのー?」

「こ、怖くなんか!!」

「どもってるニャン」

「……“ニャン”の使い方が違うと思うよ?」

「ニャンニャン♪」

「……………」




 いきなりが静かになったから、

 呆れられたのかと思った。


 けど………。




「……怖い

「へ?え?まじで怖いの?!」

「怖いしーーーー」




 俺の隣には泣きそうながいた。




「は?!なんで?!




 思わずでけぇ声で聞いちまった。

 いや、だってよ?普通怖かったら乗らねぇだろ?




「…………私、高所恐怖症だったの忘れてた」

「………………」




 小刻みに震える

 その間にも、ちゃくちゃくとジェットコースターは頂上に向かっている。


 確かに、かなりの高さではあるよなぁ?




「………あぁー、じゃぁほらっ!!」




 浩介はぶっきらぶうに言いながら、の手を握った。



































 自分が高所恐怖症だと言うことを忘れていた。

 自分でも馬鹿だと思う。

 けど、乗っちゃったから降りるわけにもいかない。

 てか降りれるわけがない。


 怖くて震えてるのが自分でも分かった。

 そんな時、浩介が私の手を握ってくれた。




「…………へ?」

「っ!だから!!これなら怖くねぇだろ?!」




 驚いて横を向くと、ちょっと頬が赤くなってる浩介がいた。


 別に手を繋いだからって怖さが無くなる訳じゃないと思うけど………

 でも、私の中になった怖さは、浩介の優しさで無くなったと思う。




「うんっ」




 私も浩介の手を握り返して頷いた。


 大丈夫。

 怖くない。


 そう自分に言い聞かせながら……。













 それから、私達を乗せたジェットコースターは勢いよく落ちていった。



































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あとがき

    ぎゃっ!何これ?!笑
    最後の辺はジェットコースターなのにラブラブ!!笑(?

    はいー。今回は日向夢……であってほしい。笑
    日向夢と言っても日向クンの片思いなのですがねーー。笑



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