自分の将来





 将来………か。

 ヤンクミにこの話をされるのは2回目だなぁ……。





   〜自分の将来〜





「お前等……卒業は目の前だぞ」




 いつものように騒がしい教室にヤンクミの暗っぽい声が響いた。

 その声に反応して全員がヤンクミの方を向き、同時に全員が“あぁ?”という声を出した。




「“あぁ?”じゃなくて進路だよ。決まってる奴は良いとして、決まってない奴はそろそろ本気で決めないとマズイぞ?」



 ヤンクミの言葉に啓太は猫の真似?をしながら答えた。



「…………にゃぁんだ。それで般若みてぇな顔してんの?」




 啓太に続いて隼人とつっちーも言う。



「そんなにあせんないで下パイ」

「どうにかにゃるっしょ」




 ヤンクミは呆れたようにため息をつき、全員を見渡す。



「……はぁ…………もっと真剣に考えたらどうなんだ?自分達の将来のことでしょうが」




 その言葉を聞いてまた騒がしくなる教室。

 その中で浩介だけはずっと眠っていた。




「と言うことで今から一人ずつ進路についての面談をします。」




 このヤンクミの一言に教室中からは“えぇー”という反感の声以外は上がらなかった。




「文句を言わないで下さい。……各自15分ずつ、順番にやるからね」



































 ということで、

 面接を受ける人以外は全員廊下に出された。




「将来………かぁ…………」

「なに?、真剣に考えてるわけ?」




 私が小さく呟くと、隼人が近づいてきて笑いながら言った。




「もちろん。………って隼人達は?」

「あ?俺は別に〜〜〜♪なぁ?」

「おぅ」

「うん」

「……………」




 隼人達は真剣に考えていない様子。

 はぁー………まぁいいけどさ。




「あれ?浩介は??」

「そこで寝てるぜ」




 つっちーの指差した場所には、


 教室から持ってきた椅子だろうか………?

 椅子を4つ繋げて、その上に寝ている浩介がいた。




「浩介どうしたんだろうねぇ?」

「あぁ、最近よく寝てるよな」

「………うん」




 竜とそんな会話をしてたら、教室の中からヤンクミが私を呼ぶ声が聞こえてきた。



































 教室に入ってヤンクミと向き合う。

 ヤンクミと進路についての話をするのは2回目だ。




はどうなんだ?」

「…………なにが?」

「はぁーー………。」




 ヤンクミが大きくため息をつく。

 私……なんか変なこと言った?!




「“なにが?”じゃねぇだろ!………前にお前と進路の話をした時とは違うんだぞ?」

「…………うん?」

「あの時ははまだ進路の事なんて考えなくても良かった。けどな、今は違うんだよ」

「………………」

……お前は今、あの時の沢田達と同じ年になった。もう進路を考えていかなきゃいけねぇんだよ」

「………う……ん。」




 ヤンクミの言葉が私の心にずしっとのし掛かってきた。




「どうしよー………」

「まぁ、まだいいさ。っつっても“ゆっくりしていいぞ”とも言えないけどな」




 ヤンクミが苦笑しながら言った。




「ねぇねぇヤンクミー」

「ん?どうした

「今日ヤンクミん家泊まっても良い?………進路についての話したいんだけど……………」

「あぁ、いいぞ!!」

「じゃぁ行くねっ!!」

「あ、でも私は今日ちょっと遅いから先に行っててくれ」

「うんっ!!わかった!」




 遠慮がちに言った私の言葉をヤンクミはすんなり受け入れてくれた。




 ………と言うことで15分間という短いようで長い私の面接は終わった。



































「お待たしーーー♪」




 浩介が鞄を振り回しながら私達の所へ走ってきた。

 それを見て、啓太が滑り台を滑り降りていった。




「おぅおぅお−う。終わったかい?」

「おぅ。速攻終了!!あ、お前等サボリかぁ」




 浩介に言われて隼人と竜が順番に答えた。




「面接とかめんどくせぇじゃん」

「…………あいつが一人で張り切ってるだけだしな」




 今度はつっちーが滑り台を滑り降りて行く。

 そしていつもの一言。




「さぁて………ほんじゃ何処行く??」

「そうだなぁ……………」




 啓太が悩んでる時………



 浩介が手を縦に出して

 “悪ぃ、俺これから仕事なんだわ”

 そう言った。




 その言葉に一番最初に反応したのは隼人だった。




「はぁ?なに仕事って………」

「なんつーか?これ夜のお仕事ってやつ??」




 浩介は手をパクパクさせながら言った。




「実はさ、すっげぇ良いとこ誘われたんだよ。多分俺そこに就職することになると思うわ」




 へぇーー、浩介凄いなぁ……。

 私も頑張らないと…………




 私がちょっと周りを見回してみると、何故かみんなは険しい顔をして浩介のことを見ていた。

 その事に……なんか…………なんとも言えない……これから何かが壊れるんじゃないかっていう嫌な予感がした。




 そんな予感をよそに浩介は話し続けた。




「やっぱ……そろそろ先の事まじめに考えねぇとな!一生このままでいられる訳じゃねぇし。…………じゃぁにゃん♪♪」




 浩介がスキップのようなものをしながら何処かへ行ってしまった後、つっちーと啓太が呟いていた。




「なんだあいつ………」

「ふーん、就職決まったんだ……日向」




 そんな中、隼人は立ち上がって“行こうぜ”と言いながら歩き出した。

 それに対してみんなはついて行った。




「あ、みんな!!」

「あ?………?」




 矢吹が振り返ってを見た。

 は目の前で両手を合わして謝る。




「ごめんねっ!!私も今日は行けないんだー………」

「えぇーーまじかよーーー」

「なんでー?!」




 土屋と武田が落胆してるのを見て、は苦笑しながらも答えた。




「ほんっとごめん!!今日は大事な用事が入っちゃってて………」




 そんなを見て4人はゆっくり歩き出しながら、そして手を振りながら言う。




「まぁ、しゃーないわな」

「そうだなー。……頑張れよー」

「じゃ、また明日!!」

「……………じゃぁな」




 そんな4人を見ても笑顔で大きく手を振った。




「うんっ!また明日ねーー!!」



































「さて、とっ…………」




 は今【大江戸一家】と書かれている家の前に、大きな荷物を持って立っていた。




「久しぶりで緊張するーーっ!!」




 “よしっ”と覚悟を決めてその家の扉を動かした。



































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あとがき

    久しぶりのドラマ沿い!!
    なんか楽しいですっ!!笑
    てかドラマではヤンクミに用事が入るのは面接が終わってからなんですけど見逃してやって下さい(ぇ



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