勇気のいる一言





 みんながいっちゃった後、

 私は居場所が無くなったみたいで……

 気づいたら竜のいるお店の裏口に立っていた。





   〜勇気のいる一言〜





 ガチャ―――


 裏口のドアが開いて竜が出てきた。

 竜は私の方を見てビックリしたような顔をしていた。




「はぁ…なんでお前がここにいんだよ……」

「ごめん」

「謝んなよ」

「う゛っ……ごめんなさい…………ってまた言っちゃった!!」

「ははっ、お前っていつ見ても飽きねぇよな」

「飽きないって何よーー?」




 最初、私を見たときの竜の顔はちょっと怒ってるっぽかったけど、

 今は笑ってる。


 2人で笑った。

 この時私は、ここに竜に会いに来て

 よかったって思った。




「で?どうかしたのか?」




 竜はビンを2つの箱に分けながら聞いてきた。

 何て言ったらいいのか分からなくて……

 俯いたまま答えた。




「……別に。なんでもないよ」




 嘘をついてしまった。



 本当は竜に“早く学校に来て”って言いたかったのに……

 “また一緒に遊ぼうよ”って言いたかったのに……

 私には言える勇気がなかった。



 そんなことを考えてたら頬に何かが伝った。




「おまっ、何泣いてんだよ?!」




 自分でも気がつかなくて……

 顔を上げるとそこには慌ててこっちにくる竜の姿があって……




「へ?泣いてる……?誰が?」

「お前」

「私?」




 吃驚した。

 なんで泣いてたことに自分で気がつかなかったんだろう……?

 不思議なこともあるもんなんだね……




「はぁ、今日は送ってやるから帰れ」

「えぇ?!い、いいよ!!竜はまだ仕事あるんでしょう?」

「………大丈夫だろ」

「いや、駄目だってば!!」

「…………」

「大丈夫!!一人で帰れるから!!」




 “泣いた後の顔でそんな事言われても説得力ねぇんだけど”

 と竜は小さく呟いたが、

 はその言葉に気づくことなく走っていった。



 少し行ったところでは少し立ち止まっていた。

 そんなを不思議そうに見ている竜が“何してんだよ”と言おうとしたときだった。




「気が向いた時でもいいから……学校…来てね!!」


 は顔を赤くしながら大声で叫んで、去っていった。


「……恥ずかしい奴」



































 PiPiPiPiPi―――――

       プルルルルル―――――




「…………出ないなぁ」




 無事、家に到着したは携帯を握りしめていた。

 携帯のディスプレイには“ヤンクミ”という文字。




『はい』

「あ!!ヤンクミ?」

『おぅ!、どうかしたのか?』

「あ、いや…あのね……」

『あぁ』

「竜、学校に来ないかなぁ」




 私がそう言うと、電話の向こうからは驚いているような声が聞こえてきた。




『……?!……、心配なのか?!小田切のこと』

「うん……」

『今日な…小田切に会ってきたんだ』

「ぇ………?」

『安心しろ、大丈夫だ。あたしが絶対に小田切を学校に来させるから!!』

「本当に……?」

『あぁ!!まかせとけ!!』

「うん!!約束だよ!!」




 電話を切った後、すっごい安心した。

 ヤンクミなら絶対に竜を学校に連れてきてくれる――――


 絶対に…………



































「うーーーん、今日学校には行きたくないなぁ〜〜」




 隼人達とは気まずいし……。

 どうしよう……?


 ……でもやっぱり行かなきゃだよなぁ



 は体を起こし学校へ行く準備をした。

 “これは完全に遅刻……”そう思いながらは走る。



































 学校に着くとは首を傾げた。

 いつもなら教室横の廊下までくれば騒がしい声が聞こえてくるはず……

 なのに…声が少しも聞こえてこなかったのだ。

 不思議に思いながらもは教室へ入る。




「………おはよーございまーーす」

「ん?じゃないか……おはよう。遅刻だぞ」

「あ、ごめん…なさい。………で?何で教室に誰もいないの?」

「あぁ、それがな……」




 私はヤンクミから何故教室に人一人いないのか聞いた。

 そっか…みんな挨拶しなかったんだ……。

 確かに挨拶は大事だしねぇ……。




「はぁ〜〜」

「大丈夫?ヤンクミ」

「あぁ!!大丈夫だ!!私がこれくらいでへこたれると思ったか?」

「……ううん!でも…無理とかしないでね!!」

「あぁ、わかってるよ」











 私は知っていたから……

 偶然ヤンクミが工事現場で働いているのを見たことがあるから……

 理由は知らないけど、きっと他の人のために働いてるんだと思う。

 ヤンクミはそういう人だから………



































 次の日から私はちゃんといままで通りに一着で学校に行った。

 でも、まだ隼人とは口をきいてなかった。

 というより話せなかった。


 そんな時、私に話しかけてくれたのは啓太だった。









 啓太は真剣な顔で私を見ていた。

 よく見ると啓太の瞳の色はすっごく綺麗で、吸い込まれていきそうだった。




「啓太?……なに?」

「その……あの時はごめんな」




 啓太の言っている意味が分からなかった。

 いきなり“ごめん”とか言われても……




「へ………?」

「俺が…弱いから……竜が…」




 啓太の顔は辛そうで……

 啓太がこんな顔するのなんて滅多にない。

 出来る事なら今、この場所で本当のことを言いたかった。

 隼人達の持っている誤解を解きたかった。

 でもそれはしちゃいけないって竜に言われてて、啓太も私も、もちろんそれを言った本人の竜だって辛いと思う。

 でも、その辛さは啓太のせいってわけじゃないと思う。




「…あ。……ううん、それは違うよ」

「違う?……なに…が?」

「啓太は弱くなんか無い。」

「え?」




 今度は啓太が“意味が分からない”と言いたげな顔をしてこっちを見ていた。


 啓太は強い。


 喧嘩が弱いなんて……そんなこと関係ない。




「あのさっ、啓太……竜とさ…早く会いたいね!!」




 いきなり言ったのがいけなかったのか、

 啓太は一瞬目を見開いた。けどすぐにニコッって笑顔で答えてくれた。




「……うん!!そうだね!…………でもさ竜、来るかな学校」

「絶対来るよ!!ヤンクミが連れてきてくれるから!!」

「山口が……?」

「うん!!」




 その時、はすっごい笑顔だった。

 一瞬ドキッとした。

 が可愛かったから……。

 ――――って今はそういう事じゃなくて!!





 俺は単純に少し気が楽になった気がした。

 俺は喧嘩が弱いのに、は俺のことを弱くないって言ってる。

 これは理由もなく、ただ単にが俺を励まそうと思って言ってる訳じゃないってわかった。

 何か意味があっては言ってくれたんだ。

 その理由が俺にはまだわかんないけど……。

 いつか絶対この答えを見つけだしてやる。




「ねぇねぇ啓太」

「んーー?何?」

「あっち行かなくていいの?」




 そう言っては隼人達のいる方を指差す。




「なんで?」

「だって……私といると隼人が話してくれなくなっちゃうよ?」




 私がそういったら啓太は笑った。

 ……なんか可笑しいこと言ったかなぁ?




「大丈夫だって!!」

「なにが?」

「あ、いや、わかんないけど……」

「あはっ!なにそれ」




 啓太が大丈夫って言った意味はわかんないけど、

 まぁ、言った本人の啓太も分かってないんだけど……


 でも、なんか嬉しかった。



































================================
あとがき

    すみません!!話の内容とかめっちゃ意味分かんないですよね!!
    話をまとめるのが下手ですみません!!(滝汗
    こんなのに付き合ってくださって有り難う御座いますーー!!



足跡代わりに押してやって下さい♪ ついでに一言頂けると嬉しいです!
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送