心の汗を流そう!!





「「おはよう!竜」」




 竜が教室に入ってきたとき、

 合わせたわけじゃないのに私と啓太の息はピッタリ合っていた。





   〜心の汗を流そう!!〜





「小田切……3回遅刻したら1回欠席扱いだからな。
 私はお前のことを特別扱いする気はないから」




 竜はヤンクミを横目で見て、一番前の席の所に行った。

 その時、竜と隼人が睨み合っていた。


 私は何となくだけど隼人達の隣にいるのが気まずくなった……。



































「だけどよ……なんで竜の奴いきなり学校に来たんだ?」




 つっちーが言う。

 ちなみに今はみんなでダーツ。

 って言っても一人、がいないんだよね……。

 たぶん竜の所だと思うんだけど……



 そんな事を一人で考えながら、今度は俺がダーツの的を見ながら言った。




「…ヤンクミが説得したって噂だけど?」

「「「ヤンクミ?!」」」




 あれ……?

 なんか俺、変なこと言った?




「随分と馴れ馴れしい言い方してんじゃんっ………あーーー」




 隼人はダーツに矢を打ちながら俺に言う。

 まぁ……自分の狙った場所には刺さらなかったっぽいけどね。




「でもさ……竜がセンコーの言うことなんか聞くんかね」




 日向も言ってる。

 でも確かに……竜がセンコーの言うこと聞いた事なんて一回もないよなぁ…。

 ま、ヤンクミはなんとなく他のセンコーとは違う気もするけど。



































「ねぇ竜……」

「………なに」

「寒くない……?」




 今、私は竜にくっついてきて屋上にいて、

 ついでに言うと屋上にあるそんなに大きくもないベンチ座ってるんだけど……




  風 が 寒 い の よ ! !


 スカートはズボンより寒いのよ!!知ってる?!




「知らねぇ。……着たことねぇし」

「?!………な?!…竜も人の心が読めるの?!」

「……思いっきり声に出てたんだけど」

「へ………?」




 もしや……またやっちゃったの?私……

 つっちーに言われてから気をつけてたのに……!!

 ……くっ………悔しい……!!




「まだ声に出てるし……」




 この時、竜が呟いた言葉はには聞こえてなかった。

 いや、“聞いていなかった”の方が正しいのかもしれない……。




「はぁ〜〜寒いね」




 …………?

 いきなり、私がさっき言ったような台詞が聞こえた。




「よっ、こんな所にいたのか?」




 2人で一緒に振り返るとヤンクミがいた。


 は吃驚して口が開いていた。

 一方、竜の方は少し顔をしかめてヤンクミを見ていた。


 だが、そんな事などヤンクミは気にしない。

 竜に明るく話しかける。




「どうだ?久しぶりの学校は?」

「………別に」

「別に、どうなんだ?別になんでもないよ。とか、別にどうでもいいよ。とか
 日本語は正しく使えよ!」




 思わず“別にどうでもいいよ”とか言っている竜を想像したら可笑しくなってきてしまった。

 だってそんなに素直な竜って見たこと無いなぁ……。と思ってさ…




「お前さ、………なんであんなに喧嘩強ぇんだよ」




 ヤンクミの明るい笑顔もその竜の言葉で一気に青ざめた。………気がした。

 ついつい、私も笑いが止まってしまった。


 ヤンクミ……何て言うつもりなのかな……。




「どこで喧嘩覚えたんだよ?」

「………な、何の話だよ?
 お前、あいつ等にボコボコにされて夢でも見てたんじゃないか?
 こんなに……か細くて、ナイスバディなあたしが喧嘩に強いわけないじゃないか!!」

「……ナイスバディと喧嘩になんの関係があるんだよ?
 しかも、……全然ナイスバディじゃねぇし」

竜っ!!

「なんだよ……

「女性に対してそれは酷いよ!!」

「は?」




 いきなり俺を呼んだ

 何事かと思ったらいきなり意味のわかんねぇ事を言いだしやがった……。




「女性に対して……“ナイスバディじゃない”なんて……!!!」

……!!お前やっぱり女だな!!」

「ヤンクミーーー!!」




 は拳を作って力説してる。

 しかも山口は山口でわずかに目に涙溜めてるし。

 最後には2人で叫びながら抱き合ってるしよ。

 ……ここは無視だな。





「はっ!!」

「ん?どうした

「竜がいない……」

「なにっ?!」





「「………北風が寒いっ!!」」




 私はヤンクミと一緒に北風の寒さを感じていた。



































「なんで数学の時間にサッカー?」

「知らねぇ」




 俺等はヤンクミの提案で数学の時間にサッカーをすることになった。

 ………やっぱり他のセンコーとは何かが違う……。




「ヤンクミーーー!!こっちこっち!!」

「おう!まかせた!!」




 てか、もヤンクミと一緒になってサッカーしてるし。

 しかも結構楽しそう。




、元気だね

「あいつは元気だけが取り柄なんじゃねぇの?」




 俺が独り言のつもりで言ったら、つっちーが笑いながら答えてくれて吃驚した。

 ま、俺等はサッカーする気なんかないんだけどね。




「ヤンクミーー!!いっけぇーー!シューートォー!!」




 が叫んだ時、

 みんなは桃女の女の子を見つけてそっちに向かってった………。

 まぁ、俺も向かったんだけど。




「……シューーート!!お前等、ちゃんと見てたか?」




 ヤンクミが叫ぶ。

 私はみんなが桃女の方へ走っていったのを見てたけど何も言わない。

 だってヤンクミもその事に気づいたっぽいしね……。


 ちょっと虚しいかも……。



 私がそんな事を考えている時、ヤンクミは竜の方へ向かって歩いていた。

 竜とヤンクミは何か話してるみたいだったけど

 私は、ちょっとヤンクミ達から遠いところにいたから話の内容は聞こえてこなかった。


 あ。大熊の食べてるやつおいしそぉ〜〜

 いいなぁ〜〜〜。……後で貰おっーーとっ!






「さ、お前等もう一回やるか!!」

「俺、もう帰るわ」

「俺もーー」




 私も帰ろっかな。
 
 ちょっと疲れたし。




「ヤンクミごめん!私も帰るねっ!!」

「おいっ!もか?!」




 その時、竜だけが違う方向に向かっていった。

 追いかけよーーっと……。







「竜…………」




 竜とが一緒にどこかへ向かっているのを俺は見ることしかできなかった。

 隼人達にも「放っとけ」って言われて……


 でも………俺……




「武田、矢吹と小田切の間に何があったんだ?」




 そんな事を考えている時、俺はヤンクミに話しかけられた。


 他のセンコーとは違う気がするヤンクミになら………



 そう思って、俺は一部始終をヤンクミに話すことにした。



































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あとがき

    6話目upですw
    一応ちょっとずつでも進んでいるのかなぁ……(汗



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