出会い




 今日から新しいセンコーがこの3Dに来るって話。

 ま、私には関係無いんだけどね……




   〜出会い〜




「やっほー!!」

「おっ?じゃーーん!!待ってたんだぜ」

「そう?ありがとっ!うっちー」




 いつもと同じように学校をサボッて、

 この白金3Dの教室に入ってきたのは


  


 外見は黒い髪を少し茶色く染めていてロングヘアー。

 耳には小さく可愛いピアスをしている。



 男子校にも関わらず、このという女の子はやってくる。

 しかも、彼女はここにいる人達より2つ年下である。

 普通この3Dの教室に入ってきた者は泣いて帰るか、次の日からは学校に来ない。

 なのに、この2つも年下であるという女の子は泣くどころか、

 3Dの面々とは仲がよく、名前も呼び捨てにしている。




 そんな彼女は教室に入ってくると、3Dの面々と挨拶を交わした。




「あ。知ってる?」

「なぁにー?南」

「今日さ!新しいセンコーが来んだよ」

「あぁーー。……らしいね」

「さっき体育館で挨拶してたんだけどよ。それがもうダサいのなんのって!!」

「へぇーー」

「あ。でももう一人の新しいセンコーは美人だったぜ」

「野田も好きだねーー。美人さん」

「おう!あ、でもちゃんとの事も好きだかんなーー」

「はいはい」




 これが日常的な会話。

 が教室に入ってくると大抵は、内山と南、野田が話しかける。

 熊井はその様子を見ているんだか見ていないのか分からないが、

 4人が話している間はもぐもぐと何かを口にしている。

 沢田は机に伏して寝ている。




 言い忘れたことだが、この教室にはしっかりとの机と椅子まで用意してある。

 置いてある場所は大体、主なメンバーの中心辺り。


 用意……と言っても、いらなくなった机と椅子を勝手に持ってきただけなのだが……




 は早速その用意されている椅子に座り、質問を投げかけた。




「んで?その話題のセンコーはまだ来てないわけ?」

「あぁー。そろそろ来んじゃね?」




 の質問に答えたのは南だった。

 3Dの面々は好き勝手にいろいろやっている。

 雑誌を読んでいる者もいれば、バットを振り回している者もいる。


 そんな中、教室もドアがガラガラと音を立てて開いた。



 教室に少し入ったところに立っているのは

 赤ジャージに身を包んだ女の先生である。

 ニコニコを笑顔を絶やさず3Dの面々に向けて入ってきた。


 3D全員の動きが止まる。

 もちろんも興味津々といった感じに眺めている。




「えぇー。改めて自己紹介します。」




 ジャージ姿の女の先生がそこまで言うと、また教室は騒がしくなる。




「ちょっと、みんな!静かにー。ほら、静かにしてってば……」




 いくら呼びかけようとも、生徒達が静かになるわけがない。




「静かにしなさいってば!!」




 とうとうヤケになったのか、

 鏡台の前に立っている先生は大きな声を上げた。


 すると、3Dの生徒の動きは止まり以外の全員が立ち上がった。




「てめぇが静かにしろよ。俺達、大事な話してんだからよ!」




 一番先に言い始めたのはいつも何かを食べているという熊井。

 熊井は徐々に新しい先生の前に向かっていき、彼女の胸倉をつかむ。

 だが、彼女の方は少しも怖がる様子がない。




「大事な話って?」

「関係ねぇだろ?ガタガタ言ってっとてめぇしばき倒すぞコラッ!」




 熊井がそう言い終えると、教室から歓声が上がる。

 中には“やっちゃえ!やっちゃえー!!”や、“しばけコール”まで、幅広く。

 とにかく、熊井を応援するような言葉があがっていた。


 すると、熊井は胸倉を掴んでいた手を離し、




「いいな。俺等に指図すんじゃねぇぞ」




 そう言ったのだった。

 沢田はその様子を欠伸をしながら眺めていた。


 新しくきた先生は小さくため息を付くと自己紹介の続きをし始めた。




「えぇー。改めて自己紹介をします。私の名前は……」




 そう言いながら彼女は黒板に自分の名前“山口久美子”と書いた。

 さらに年齢、“独身”という文字まで書いていった。


 そんな彼女に向けて、紙飛行機が飛ばされる。

 最初に飛ばしたと思われるのは野田だ。

 野田に続いてほぼ生徒全員が彼女に向けて紙飛行機や、紙を丸めただけの紙を飛ばす。


 はその様子を楽しそうに眺めていた。




「ねねっ!くーま」

「お?どした?

「これ………投げれば?」

「お、サンキュー」




 が熊井に渡した物。

 それは本来ならば野球に使うボールだった。




「おいおいおい、本当に当たっちまったらどーすんだよ?……も悪だねぇ」

「ん?野田?……当たらないでしょ。だって熊は結構方向オンチだもん」

「うわっ、ひでぇー。よっしゃ!よく見てろよ」




 の言葉に熊井は燃えた。

 フォームを決めると勢いよく山口久美子に向かって野球ボールを投げつけた。


 その瞬間

 沢田が止めようとしたのか、今まで机に伏していた顔を上げた。



































 ―――――パシッ



 本当に当たるのではないか……。

 いや、当たるはずだったのだ。


 熊井が投げたボールはちょうど久美子の頭に当たる……予定だった。



 が、久美子はいとも簡単に受け止めてしまった。

 もちろん。彼女は黒板の方を向いているため投げる瞬間など見ていない。



 この行動にはクラス全員が驚きの色を隠せなかった。

 特に驚いていたのは


   沢田 慎


 そして


   


 この二人だった。

 二人は目を合わせた。




「………や、やだぁ。野球のボールじゃない。誰がこんなの投げたの?危ないじゃないのよ!」




 教室が静まりかえっていた中、

 山口久美子だけは平然としていた。




「な、なんだ?偶然だったのか?」

「にっぶーー!もっと早く気付よ、熊」

「わははっ!!」




 上から熊井、内山、野田&南。

 いつも通り、教室には笑い声が戻ったが、

 沢田とだけは“偶然”という言葉に納得できないようだ。

 二人とも、不機嫌な顔をしていた。




「おい」

「ん?なに?慎」

「フケようぜ」

「りょーかいっ!みんな行こ?」

「「「「おぉーー!!」」」」




 慎の提案より、全員が教室から出ていった。

 その後、久美子が振り返って、誰もいない教室をみて項垂れたのは言うまでもないだろう。



































 山口久美子はこの時まだ気付いていなかった。



























 “ ”という女の子の存在に………



























 これから深く関わってくるこの学園一人の女子生徒


























 これはその子の物語――――――――





























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あとがき

    始めてしまった(汗
    ごくせん1のドリーム………

    リターンズの方更新しろよっ!
    って感じですよね……。すみませんーー!!



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